REBORN † 愛してるから、許さないで (ページ1)

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ミヤビSide

私は、嘘吐きだ。

息をするように、そっと嘘を吐く。

呼吸をするのが、生存するための当然の手段であるように……私は嘘を吐き続けないと、生きていけない。

†

「ウソ……なんでだよ…！」

山本クンが、そう言って、信じられないと顔を歪めた。

「嘘なんかじゃないよ。山本クンもわかってるはずでしょ……？」

馬鹿だな。

これは、もう……ある意味、必然的な運命なのに。

いや、偶然なのかな。

そもそも、必然と偶然には、どれくらいの差があるんだろうね。

「初めて出会ったトキ…感じたでしょ？獣のように、本能が囁いたでしょ？」

「ミヤビ…！」

「『倒したい』って。私たちには、流れてるんだもの……時雨蒼燕流を受け継いだ、人殺しの血が」

一歩。前に踏み出した。

師匠の横から離れる。

「直感で分かったのよ。私も、キミも」

私は、竹刀を軽く振るった。

お父さんの遺品である、時雨金時ではなく、ただの竹刀。

うっかり、変形させてしまったら……アウトだからね。

「でも、Aはそんなの一言も…っ！」

「だって、恭ちゃんは何も知らないもん」

「なんで……友達だろ？！」

「なんで？友達だから、なんでも共有するの？」

「Aとミヤビは、そんな次元の友達じゃないだろ？！」

「そうだね。私、恭ちゃんが大好きだよ」

分かんないかなぁ。

大好きだから、知って欲しくないことがたくさんあるの。

「大好き…。私の手を汚してもいいと思えるくらい」

お父さんが死んだ、あのとき。

恭ちゃんが人を殺そうとした、あのとき。

ただ、ひたすら嬉しかったんだ。

お父さんが死んじゃったのに。空き巣に、服を裂かれ、胸を揉まれて、吐き気がしたのに。

昔から大好きな恭ちゃんが、大好きなお父さんの死を悔やみ、私を思って、手を汚そうとしてくれたのが。

「ねぇ、聞いてよ、山本クン。恭ちゃんが、キミのことで悩んでるの。キミのコトを、思ってるの。キミために、可愛くなるの」

「ミヤビ…？」

「気に食わないなぁ。やっぱり、恭ちゃんは渡さない」

恭ちゃんは、私のだよって、小さく呟いた。