神威と私は浮気相手

part30 ページ31

「君、勝手に入ってなにして」


神威「うるさいヨ」


勝手に手術室に入り、Aの横に立つ


ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟ


リズム感のあるテンポで鳴り響く心拍数音
Aの少し暖かい手を握れば、微かに反応がある


神威「っ……」


『ぁ……』


かすれた声がマスクの隙間から聞こえる


『っｺﾞﾎｯｹﾞﾎ!』


ﾍﾞﾁｬｯとマスクの中が真っ赤に染まる


神威「え…」


その瞬間、手術室にいた医者達が騒ぎ出す


「先生！心拍数が…」


「呼吸困難になっています！」


看護士がマスクを外し、何かチューブのような物を取り出す


かすかに開くAの目からは涙


『か……、…ぁ……てま、……た』


細々と出た言葉は、神威には聞き取れた


ﾋﾟｰｰｰｰｯ


リズム感のテンポはなくなり、一定の音が鳴る


握っていた手が人形のように落ちる


「電気！心臓に!」


何かを取り出した医者がAの胸に押し当て、ﾄﾞﾝｯと大きくAの体が跳ねる
看護士は何か秒数を数えてる


神威はただ立ち尽くすしか出来ない

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