神威と私は浮気相手

part23 ページ24

『は？……』


思わず拍子抜けた声が漏れる


神威「俺ならAを大切に出来る。あいつよりも」


いつもより低い声で言う


『……っ』


神威「返事はいつでもいいヨ」


ﾆｺﾘといつものように笑えばベッドから立ち上がる
そしてドアの前まで来たとき


神威「考えておいてネ」


ｶﾞﾁｬﾝと閉まる音が耳に響く


『わからない……わかないょ…』


痛む頭を押さえ、うずくまる


『ｺﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……!?』


たまらなく喉の奥から何かが這い上がってくるようだった


『っ……』


ﾍﾞﾁｬｯ


真っ赤な液体がシーツを赤く染める


『うそ……』


口から滴り落ちる血に、ｻｧｯと血の気がひく
ベッドから起き上がり、棚の中にある注射器と取り出す


尖った針を腕にさし、血を取る
その血をある液体に混ぜ合わせる


『………なん…で…』


混ざり合った液体が緑色に変わる

検査して：頭の中に病名が浮かび上がる、長い長い病名。
そんな病名より、この病気治るのか


ｶﾞﾀﾝと大きく立ち上がり、手当たり次第に本で調べる


『見つけた‥‥』


ほぼ頭の中に入らなかった長い文の最後に


『助からない病気……』


嫌だ……、
私の未来がここで終わるなんて
晋助に何て言おう
仕事はどうしよう


そんなことより、一番頭に出たのは


『神威に何て言えばいいの……』

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