#76. ページ26
正月は兄貴からお年玉を貰った程度で、おせちなども無くのんびり過ごしていた
夏休みより圧倒的に短い冬休みはすごいイベント事もなく、終わりを迎えようとしている。
「A」
『おー、御幸、倉持』
「おじゃましまーす」
今日は2人がオフとの事で家に遊びに来た。
兄貴は仕事、3人ですぐに俺の部屋へ向かう。先にゲームの準備しといてと頼み、俺は1階で飲み物やお菓子をトレイに乗せて階段を上る。
足でドアノブを下ろし、扉を開くとコントローラーを持って俺を待っている2人の姿。
「お、ありがとな」
「そんなもてなさなくても」
『一応客、あと俺が食べたかった』
よいしょとベッドに腰を下ろし、自分もコントローラーを手に持つ。
今日は3人同時対戦。最近このゲームやってなかったから腕が落ちているかもしれない…が、思い出しながら頑張ってみよう。
Lady…Fight!!の文字が画面いっぱいに表示されると、すぐに対戦が始まった。
あーだこーだと話しながら着実に倒していく倉持。俺と御幸は手も足も出ず、惨敗。
「やっぱ日頃からやってる奴は違うなぁ」
『ほんとほんと』
「どういう意味だよ」
わはは、と3人で笑いながら少し休憩ということでお菓子を食べたりジュースを飲んだり。各々漫画読んだりベッドに寝転がったりと自由にやっていた。
そんな事をしている中、俺は眠くてベッドに転がっている倉持の隣に横になり目を瞑る。
『少ししたら起こして』
「寝んのかよ」
『眠くて』
そう言うと「おー」と返事。そのまま周りの音も聞こえなくなり、眠りについた。
▽
倉持と御幸の楽しそうな話し声で目が覚めた。
パチパチと瞬きをすると、「おっ」と倉持が。
まだ横におり、俺の顔を覗き込んでいる。
『……え、何時？』
「昼過ぎ。1時間ちょっと寝てたぜ」
『まじか、』
「はよ。気持ち良さそうに寝てたな」
『そう？でもほんと、スッキリした』
体を起こし、グッと伸びをする。頭も冴えたし今なら勉強ができて、ゲームにも勝てそうな気がする。
『そう言えば何の話してたのよ』
「ん？お前と仲良くなった時の話」
「御幸から話しかけて、ついでみたいな感じで俺とも仲良くなったよなーって」
『ああ、懐かしい』
「知ってるか？A。御幸、お前の顔目当てで話しかけたんだぜ」
「なっ、は？！お前ッ」
『あら、好きなんだ？』
倉持からの突然の暴露に焦って立ち上がる御幸。
仲良くなれて良かったと心底思う。
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作者名：宮
| 作成日時：2022年8月3日 1時
