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「リュックからうのはいいけど背中暑いんよな」

「あー、熱篭もるもんね」

バス停まで徒歩で向かう中も相変わらず陽射しには照らされる。
「持ってあげようか」と言われると、少し考えた後「陵矢さま〜」なんて遠慮無しにリュックを預けた。さほど重くもないリュックを軽々と背負い、丁度バス停に停まっていたバスに乗り込んだ。

1時間もしないくらいバスに揺られ、スタジアムの近くに降り立つ。このスタジアムで、大谷と対談があるのだ。初めて見るその場所に柳瀬はまたテンションが上がっていた。

「りょーやくん凄い!ガチのまじだ!すごい!すごー!」

「本当にAは26なの?」

「26歳!みて、みてりょーや、りょーやくん見て、てか写真撮って、いや一緒に撮ろう写ろう」

そう言いながらスマホを取り出して栗原を半ば強引に屈ませると、スタジアムをバックに自撮りをする。その写真を見て幸せそうにふにゃふにゃと笑い、時間を確認する。あと15分。そろそろ行った方がいいかと思い、栗原の方を振り返ると

「どっか涼しい場所で待っとってね!」

栗原の肩を叩くと、柳瀬はスタッフ入口へと向かっていく。小さくなっていく背中を眺め、見えなくなった瞬間ハッと思い出した。柳瀬のリュックを背負っている事を。でもまぁ、必要になったら呼びに来るだろうと日陰で待っていると日本のテレビのスタッフが栗原に気付いて中に入れてくれた。

柳瀬はスタッフとも挨拶を済ませ、整った衣装に着替える。そして何故か、海外メディアもその場所にいた。大谷の事になるとどこのメディアも放送をしたいのだろう。やっぱ本物は違う、と自身をまるで偽物かのように感じながら服と髪型を整えてもらっていた。

そして時間になると、スタッフに連れられて涼しくて綺麗な一室へと連れて行かれる。扉がキィ…ッと開かれると、目の前にはグレーのシャツを着た大谷翔平の姿があった。本物だ。WBCの時には会えなかった彼が、目の前に。

椅子に座って水原の通訳を通して海外メディアの記者と会話をしていた大谷は柳瀬に気付くと表情を明らかに明るくさせて椅子から立ち上がる。
柳瀬は大谷を見上げながら頭を下げてなるべく冷静を保っていたのだが、その表情は子供のようで瞳をキラキラと輝かせていた。

「大谷です」

「柳瀬です、…んふふ、えへ、本物やん…」

思わずにやけてしまう。カメラの奥にいる記者の方に目をやり照れくさそうに笑みを見せる柳瀬を十数台あるカメラは全て捉えていた。

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Mexx(プロフ) - 初めて見つけて一気読みしました!!!おもしろくてあっという間!続編希望します!!🥹 (10月4日 23時) (レス) @page45 id: 553f86ba4d (このIDを非表示/違反報告)
Waaaaka03(プロフ) - 今更ですが一気読みしました!!途中ちょっと泣きそうになりながらも大谷さんともいい対談して、、、最高でした!!!! (8月20日 11時) (レス) @page45 id: 03c5b943b6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ばたこさん» またもし次の作品でばたこさんに刺さるものがあれば嬉しいです!ここまでありがとうございました!🙇‍♂️ (6月23日 8時) (レス) id: e835b41f9a (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - え!!!!!もう終わっちゃうんですか!!!悲しいです🥺私の入院中の唯一の楽しみでした、ありがとうございました!完結おめでとうございます(_ _) (6月23日 8時) (レス) @page45 id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2023年6月11日 0時

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