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翌日の練習も、相原は相変わらず顔を出して楽しそうに笑い、皆といつも通りに会話をしていた。
よく言えば楽天家、悪く言えば能天気のようにも見える相原だが人一倍物事を考えて、人の顔色を伺って発言をする人間だった。
皆が練習中、抜け出した相原はまたも水原を呼んで一緒に監督の元へと向かった。
自身の拙い英語じゃ何も伝わらないと思ったのだ。
「"A、そういや診察してもらったんだろう？診断結果は？"」
顔を合わせるなりそんな事を聞いてくる監督に、相原は「せっかちやなぁ」と笑いながら呟き、水原に自身の病状について通訳するように言った。
ステージ4の肺がんと伝えると、水原は口を閉ざし、目を大きくさせて相原を見る。今の今まで水原に言っていなかったから当たり前の反応だ。「僕じゃ上手く言葉にできないんです」と水原に言うと、渋々と言ったように頷き監督に伝える。
「"…なんだって？嘘だろう？こんなにピンピンしているじゃないか"」
「"…診断書も、あるそうです"」
「"…手術…、手術しなさい、君の将来に関わるんだ。どれだけ休んでもいい、絶対に手術をしてくれ。"」
「"嫌です"」
監督の言葉に、水原の通訳を付けずに自身で拒否をした。
それには監督も水原も驚いた表情を見せて言葉を詰まらせる。のんびりとした、陽気な相原だが我はしっかりと持っている。これと決めた事は絶対に曲げない精神で今までやってきた。
「"…抗がん剤や、放射線治療は"」
「"わがまま言うと、入院をしたくない。皆に知れるのが嫌だ。初回入院をしなくていいのなら、僕は抗がん剤や放射線治療は受けます。"」
「"…死んでもいいのか？"」
監督は怪訝そうな顔で相原を見る。隣で水原も不安そうに相原をじっと見つめていた。
だが相原は真っ直ぐと見据え、絶対に意志を曲げないという思いしか持っていないようだった。
「"死んでもいいです。その時が僕の寿命だったというだけです。最期まで野球をやりたい、入院期間が勿体ない。…お願いします。1度、病院で医師を説得してくれませんか。そして、僕が動けなくなるその日まで、試合に出場させてくれませんか。"」
拙いながらも自身の思いを全てぶつけ、土下座するんじゃないかと言わんばかりに頭を下げ、懇願した。水原も必死な相原を見て、一緒に頭を下げた。
2人からの願いに、監督は目を瞑って少しの間考えた後
「"…全て飲むよ。明日、もう一度医者の所へ行こう。"」
そう言って相原の願いを全て了承したのだ。
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お餅(プロフ) - 夢小説で初めて泣きました素敵な作品ありがとうございました (6月18日 23時) (
レス) @page33 id: 8d7c7e252f (このIDを非表示/違反報告)
ツンデレ殿(プロフ) - 完結お疲れ様です。涙涙で頭が痛くなりました笑とても素敵な作品でした！！本当にお疲れ様でした！！ (6月11日 21時) (レス) @page33 id: 62ded70eb4 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - 完結お疲れ様です。正直、かなり泣いてしまいました笑笑 前作も読みましたが、凄く面白かったです。素敵な作品を、ありがとうございます。 (6月11日 11時) (レス) id: cf3b69c759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年6月4日 13時
