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朝、相原は球場に顔を出さなかった。
監督は代わりの捕手を出して何とか試合に挑み、試合が終わったその夜に大谷と相原の部屋へと向かった。
マンションの管理人にスペアキーを受け取り部屋の中に入るとジャージ姿でリビングの床に倒れている相原を見つけたのだ。
床に蹲っており、スマホが頭上に落ちている。駆け寄って脈を確認するが動いていない。冷たくなっており、蘇生も出来ない状態だと理解するのに時間はかからなかった。
すぐに警察を呼び、警察署へと運ばれていく相原について行く。心臓が止まった理由は分かりきっていた。
「…肺がん…」
その理由を知らされた大谷は小さく呟く。全く知らなかった。目の前で目を瞑って眠っている相原は、叩いたらすぐにでも起きそうなくらい綺麗だった。
翌日の試合の前、大谷は自宅で相原のスマホを眺めていると前日に牧原と連絡を取ろうとしていた事が分かった。向こうからもかかってきている事に気付き、掛け直したのだ。
「…いない？」
「確か…成人してすぐ事故で亡くなったって…」
「……そうですか。あの…どうしますか。そちらの皆さんもAの顔…見たいでしょうし…」
「……本当はそっちでもこっちでも、火葬前に告別式みたいなのした方がいいんじゃないすか…？」
泣いて喋ることも出来ない牧原の背中を擦りながら、3人は電話の向こうの大谷と会話をする。こればっかりは自分達では決められない。
報道陣にもまだ話していない為、外に漏らすことも出来ない。
「…会長とか、監督に聞かな分からんな…」
「すぐ監督に話すよ。それから多分、そっちの監督にも話は行くと思うし…Aは安置しといてやって」
4人の中で1番年上の柳田がそう言うと、大谷も「分かりました」と返事をして一旦電話を切る。こんな一大事だが、まだ試合があるのだ。
そしてすぐに柳田はスマホを取り出して監督に電話をかけ始める。
「…牧さん」
そう言って声をかけるのは栗原だ。同郷で約束までした可愛がっていた後輩がいきなり死んでしまったのだ。返事をすることも出来ず俯いたまま泣いている。
「…あん時泣きながらAと話してたのって、この事なん？」
優しく背中を擦りながら甲斐が問うと、牧原は小さく頷いた。そしてゆっくりと涙で濡れた顔を上げると「…皆に言えんかった」と小さく呟き、また机に突っ伏してしまった。
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お餅(プロフ) - 夢小説で初めて泣きました素敵な作品ありがとうございました (6月18日 23時) (
レス) @page33 id: 8d7c7e252f (このIDを非表示/違反報告)
ツンデレ殿(プロフ) - 完結お疲れ様です。涙涙で頭が痛くなりました笑とても素敵な作品でした！！本当にお疲れ様でした！！ (6月11日 21時) (レス) @page33 id: 62ded70eb4 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - 完結お疲れ様です。正直、かなり泣いてしまいました笑笑 前作も読みましたが、凄く面白かったです。素敵な作品を、ありがとうございます。 (6月11日 11時) (レス) id: cf3b69c759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年6月4日 13時
