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相原(あいはら)Aは、移籍から2年して25歳になった。その頃には捕手としての能力や打撃の能力の高さは周知の事実となっていた。
エンゼルスの正捕手となった相原は、大谷の女房役になりよく話すようにもなって仲が良さそうな様子がカメラによって何度も抜かれる。

「Aが来てくれて良かった。めっちゃ投げやすい」

「んふふ、最初は投げにくかったでしょ」

「本当に投げづらかった」

「容赦がないね」

2人顔を見合せて、顔をくしゃくしゃにさせながら楽しそうに笑う。2人とも表情豊かでコロコロと変わる。まるで百面相だ。

試合中、打順が回ってくるのを待っている間相原は少し頬を膨らませて打者を眺めていた。待ち時間や暇な時、頬を膨らませるのは相原の昔からのクセであり、決してわざとでは無い。

「それクセ?」

なんて言いながら人差し指で少しだけ膨らんだ相原の頬を強めに押す。「ぶぇ」と情けない声を出しながら空気を漏らす相原が面白かったのか大谷は目を細めていたずらっ子のように笑い、アンコールをお願いする。
もう一度頬を膨らませて、それを潰すように人差し指で突く、という面白いかどうか分からない遊びを2人は楽しそうに繰り返す。

「穴あくて」

「ふふ、柔らかいから大丈夫だよ」

「なにそれ」

2人の世界は、感性が似ている2人にしか楽しさも分からないのだろうか。
打順が回り、大谷は相原の背中を押した。相原はバットを手にネクストバッターズサークルへ向かい、自身の打席に備える。

前の打者が三振に抑えられ、ツーアウト2、3塁。右投げ両打ちの相原は今の調子や状況を考え左打席に入った。すぐにバットを構え、後ろ足に重心を置いた後、体を捻り力強くバットを振る。聞いていて心地の良い快音が鳴り響き、少しの間硬球の軌道を眺めていた。ライトスタンドで大きく跳ねた球を見て相原は右手で拳を作り走り出した。
逆転打を放ち、ホームに戻って来た相原は兜を被せられダッグアウト内のチームメイトと拳を合わせたり、ハイタッチをしたりして笑っている。

大谷からも褒められて嬉しそうな笑顔を見せる相原だが、そんな順風満帆で平和な生活は知らない間に蝕まれていた。

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お餅(プロフ) - 夢小説で初めて泣きました素敵な作品ありがとうございました (6月18日 23時) (レス) @page33 id: 8d7c7e252f (このIDを非表示/違反報告)
ツンデレ殿(プロフ) - 完結お疲れ様です。涙涙で頭が痛くなりました笑とても素敵な作品でした!!本当にお疲れ様でした!! (6月11日 21時) (レス) @page33 id: 62ded70eb4 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - 完結お疲れ様です。正直、かなり泣いてしまいました笑笑 前作も読みましたが、凄く面白かったです。素敵な作品を、ありがとうございます。 (6月11日 11時) (レス) id: cf3b69c759 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年6月4日 13時

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