嫌いを好きにする魔法。 (ページ32)

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『エースが起きちゃ...』

さっきから机に頭を置いてブツブツと言っている。
この時間じゃ人も少ないしバレてないみたいで...

『ふぁ...はぁはぁ...』

嫌な気持ちになるかと思えば意外とそうでも無かった。
目がとろんとして息が荒くなったのは分かった。

エース「あー…ごめんな、」

『あはは、大丈夫...』

ジェイド「すみません...ついつい。」

最初は珍しく顔を赤くしていたがすぐに困り顔に変わる。
本能的なものだった？いや、そんなの聞いた事ないし。

ジェイド「すみません、怖かったですよね。」

『...別に。ジェイド先輩なので...』

ジェイド「！？」

エース「お前Aに何したの。」

ジェイド「お前とは僕のことでしょうか？」

エース「あぁ、そうだよ。」

ジェイド「何...と言われましても言いたくないものでして。」

エース「じゃあなんでこいつこんな顔してんだよ？」

知らぬ間に顔は赤いし、恥ずかしくて下を向いていた。
嫌なわけじゃない、そう...なのに何か...

フロイド「わぁ～、カニちゃんじゃん。」

エース「ども。」

フロイド「あれ、それAだよねぇ？どーしたの？」

エース「ジェ...なんでもないっす...」

凄い睨まれてた。
圧が相当だったのか急に黙っている。

というか重い...
後ろから抱きしめられるのってこんなに重かった？

フロイド「なんでこんな時間にココにいんの？」

『えっ...あー…冷蔵庫をお借りしまして。』

ジェイド「そういえばそうでしたね...」

『その後ちょっとお茶してこうかなぁと。』

フロイド「ふーん。ジェイドさ、な...いったぁ！？！」

いつの間にかカウンターの向こう側にいった先輩は多分足を思いっきり踏まれたか蹴られた。
半泣きでギャーギャー言ってるので相当本気でやったのだろう。

フロイド「カニちゃん、Aを早く寝かせて。また倒れたらオレ助けねぇよ。」

『えっ...』

エース「分かりました...？お前寝不足で倒れたの？」

『あ...そのー、いや？間違っては...その...』

エース「バカじゃん！ウケるんだけど！？」

『もうエースきらい...』

エース「え、ごめんな！ほら機嫌治せよ！」

『分かった。帰ろ、エース。』

何となくここにいても仕方ない気がしてお会計をする。
なんでだろう。

フロイド「後、5回くらいでポイント貯まんね～」

『もうそんなに...』

フロイド「考えときなよ～、じゃあね。」

ポイントねぇ。
お悩み相談...思いつかない。
さっきの事で頭がいっぱい。