蝕まれるは暗殺者 ページ27
グレンside
呪いはどんどん、斉藤の体を蝕んでいく。
肉を喰らい潰し、霧になろうとする体を侵食し、鎖を塵へと変えていきながらグズグズと赤い塊に変えていく。
「なぁ斉藤。なんでお前の体が赤く染まるか、わかるか？ お前は剣の呪いで餌に変えられてるんだ。呪われたお前は、剣の餌になる。喰われたら最後、お前は一生、剣の中でのたうち回ることになる」
俺の凄絶な笑みと呪いの説明に、斉藤は怯えた顔で見上げてくる。余裕そうな笑みしか見た事がなかったが、こいつはこんな顔も出来るのか、と思う。
「や、やめ……」
「やめて欲しけりゃ、俺の質問に答えろ。何故ここを攻撃する？ なんでこんな、力のないガキばかりの学校を攻撃する？ 柊家の主力は、ここにはないだろう。なのに何故、てめぇらはここを攻撃した？」
質問とは名ばかりの尋問をする。
その間にも悲鳴は聞こえ続けていた。生徒の悲鳴だ。
さっきまで俺の事を見下し、馬鹿にして楽しそうに笑っていたはずの奴らの悲鳴。
「そ、それは……」
「嘘ならお前はすぐに殺す。嘘をついたと俺が判断しても、すぐに殺す。だから答えるなら覚悟を決めて答えろ。
──おまえらは、なんでここに来た？」
「……これは、仕方ありませんねぇ」
などと言って、斉藤は困ったように目を閉じる。質問には答えず、思案しているようにも見えた。
それから覚悟を決めたような表情になってから、目を、見開く。
そして完全に開いた瞬間、その瞳の中央に蛇の様な模様が浮かんだ。呪詛だ。
その瞳と呪詛に反応し、後方へと下がろうとすると、先程まで静観していた深夜の声がした。
「下がる必要ないよ」
そして呆気なく斉藤の瞳に、護符がぺたんっと貼られる。
仕込んでいた裏の手を、第三者によってあっさりと封じられた事で、斉藤は少し間抜けな声をこぼす。
その斉藤を見下ろして、深夜が言った。
「僕も興味あるなぁ。別に柊の生徒達がどうなろうが気にならないけど……君らがここを襲う理由がない。この程度の兵数で来たところで、『帝ノ鬼』の主力部隊が来たらすぐに駆逐されちゃうしね。
──なら一体、何のために“ここ”に来た？」
俺と同じ内容の尋問を、再び、今度は静かに問う。
「いやぁ、ガキのクセになんか思ってたよりも、圧倒的な強さだなぁ……だ〜から上層部にも、この二人の相手は一人じゃ無理って言っ……ゔっ」
相変わらず質問には答えないで、余計な話を続ける斉藤に、刀を強く押し付けた。
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ラピスラズリ(プロフ) - 空白さん» 返信遅くなってごめんなさい!面白いだなんてありがとうございます!これからも、更新頑張ります。 (2022年2月10日 1時) (
レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - 凪さん» 返信遅くなってごめんなさい!大好きと言っていただけるなんて光栄です!ありがとうございます。 (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - さくら＆りな(б∀б)さん» 返信遅くなってごめんなさい!やっと、続編まで来れました。更新が遅くなる事もあるかと思いますが、どうぞ見守って下さると嬉しいです。これからも頑張ります！ (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
空白 - メチャクチャ面白いです (2022年1月29日 0時) (レス) @page5 id: e38918ab99 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - やっぱりこの作品大好きです。これからも読み続けますね。 (2022年1月8日 18時) (レス) @page1 id: ae77e7925b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラピスラズリ | 作成日時：2022年1月7日 16時
