犬猿の仲 ページ37
目を開けると、明るかった空が夕焼け色に染まっていた。木々がざわめき、風が吹き荒れている。その風から感じる、ひんやりとした寒さに、意識が覚醒させられる。
あんなに天気が良かったのに、不思議なものだ。
ぼやけていた視界が定まり、目線を横から正面にかえると、ちらりと見えたのは一面の黒。
そして…
「すっ！！！！？？？？傑くん！！！！！！！！」
「うわっ、ビックリしたよ。良かった、目が覚めたんだね」
「まっ、え？うぇっ、なんでおっ、おひっ、なんでおひっ！？！？」
「おひ……？ああ、抱え方の話かな？」
そうです！！！！！！！
あまりの興奮に話すこともままならない私は、こくこくと首を縦に振った。
伝わらないと悲しいので、首がもげるまで全力で。
…あ、もちろん比喩表現ですよ？
私の首がもげたら傑くんに血がかかっちゃうし！
「ふふふ、そんなに頷かなくても、ちゃんと伝わってるよ。でも、ごめんね？ちょっと悟が問題を起こしてて……」
悟？そういえばまだ見てなかったな
あと……伏黒パパ！！！！
少し身を乗り出して辺りを見渡すと、砂埃が舞っている場所を見つけた。
多分その時の私は虚無顔
「ねぇ、傑くん………つまり、そういうこと？」
「そういうこと。」
呆れた顔で横に首をふる傑くん。
そっか……大変だったんだね…
これは、私が悟においたがすぎてると言ってやんなきゃね！！！
傑くんの腕から抜け出し、一直線に走る。
普段ならばきっと抜け出すことなど不可能だが、傑くんは戦った後だから楽勝よ！呪力操作だって出来るんだぞ！私だって！
…って、あれ？
そういえば悟も戦ったあと…
「ッ…おっらぁぁぁぁああああ！！！！」
私は雄叫びをあげながら走った。
かなりの距離で、張り裂けるような痛みを肺から、脇腹から感じたが、構わなかった。
だって
いつもは最強だからと気にさえもしなかったが、怪我をしている状態で伏黒パパには、絶対悟は敵わない！
「悟っ！！」
「あ？って、あの嬢ちゃん…！」
「っは、A？」
私は２人の間に飛び込んだ。
悟にはなんか近づきたくないし、伏黒パパの胸に飛び込むのは恐れ多いと、私の中の私会議で決まったのだ。
(この間0.01秒！！！！)
その瞬間、ピタリと攻撃は止んだ。
……が、両腕を２人に掴まれているのだ。
グググ、と両側からかなりの力で引っ張られている。いっ、ちょま、いった！！！
やめて！！！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 493人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琉亜 - かっこよみんなちな三輪ちゃん最推し推しです (2023年2月24日 3時) (
レス) @page5 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
みわ(プロフ) - れいなさん» オチはないと思います！！誰かとくっつけたりしても面白そうですけど、わたし的に「誰か一人を選ぶことなんて出来ないｯ！」みたいな考えなので……れいなさんがオチの欲しい方でしたらアンケートでもとって決めたいですね💕 (2022年3月15日 18時) (レス) @page45 id: 12c96b02fb (このIDを非表示/違反報告)
れいな - これってオチとかあるんですかね・・・？ (2022年3月8日 23時) (レス) id: 9244dafa1b (このIDを非表示/違反報告)
みわ(プロフ) - ren2230011さん» ありがとうございます！実況者さん好きなんですよねぇ…（しみじみ）案外気づいてくれる方多いのでもっとふやしてみようかなwこれからま更新頑張ります！ (2021年5月16日 23時) (レス) id: 30d5dd2d2c (このIDを非表示/違反報告)
ren2230011(プロフ) - 呼んでいたら突然青鬼さんのぽまえらが出てきて思わず吹きました。凄く好きです！頑張って下さい！ (2021年5月16日 22時) (レス) id: 041c7a56e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みわちゃん | 作成日時：2020年8月2日 18時
