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堕氣は、攻撃に弱い。
堕氣は強い、だが真に強いのは堕氣ではなく『その身に宿された術式』だ。
その強力な術式ゆえ、呪力のコントロール、調整が難しい。
例えば五条悟。
彼はその強すぎる術式。
それを使いこなすには並大抵な力や技量では足りず、特別な目があるゆえに、呪術師最強と謳われるのだ。
だがどうだ。
堕氣に何か特別なものがあるだろうか。
『時空を操る術式』
五条悟に劣らずとも勝らない、強力な術式である。
呪霊、という存在で少しはまかなえるだろうが、そうも長くは続かない。
…つまり、だ。
○
堕氣は困惑していた。
自分の事は、自分の事が一番わかっている。
だが、それはどうだろうか。
その言葉は本当なのだろうか。
己のことが、わからない。
なぜ、こんなに体がボロボロなのだろうか。
なぜ、こんなに追い詰められているのだろうか。
…何故、何故、何故!
なぜ、体が動かない…?
「う"っ、く…」
少し身体を傾けて気づいた、腹の怪我。
先ほどの前髪の子の攻撃による、落石のせいで抉れていた。
(嗚呼、成る程)
道理で身体が動かない訳だ。
足や、腕など広範囲に及び、意外と深い部分まで抉れていて、中々にグロテスクである。
…ふと、我ながらに疑問に思った。
(何故、あんなに動揺していたのだろうか…)
こんなこと、考えなくてもわかることなのに、わからなかった。
痛覚が鈍ってきたのだろうか。
自傷とかやったことないんだけど…
自分の身体の時間を巻き戻し、少し休憩をとる。
これがまた疲れるのだ。
五条家の坊ちゃんがいなければ。
あの男がいなければ一瞬なのに。
いい加減に目の前に佇む砂埃が鬱陶しくなり、袖で鼻と口元を隠しながら、手で振り払う。
目に入るとまた痛いのだ。
少し咳き込み始めた、その時に。
「う"ぉっ、りゃぁあああああああ!!!!!」
大きな声と共に、目の前の砂埃が二つに分かれた。
真ん中の空間から見えた少女。
闘志に燃えた、その拳を振り下ろす姿が見え、避けようと思ったが、身体が思うように動かなかった。
バキっ!
振り下ろされた拳は綺麗にぶつかり、されるがままに僕は倒れた。
(…痛い。あそこまで綺麗に殴られた事はあっただろうか)
少女は、茫然と拳をみつめ、立ち尽くしていた。
そのあと、ハッと何かを思い出したのか、方向をかえ、走り出していた。
…このまま放置かよ
でも、まだ生きてるんだから。
是非ともリベンジ、しなくちゃね
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琉亜 - かっこよみんなちな三輪ちゃん最推し推しです (2023年2月24日 3時) (レス) @page5 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
みわ(プロフ) - れいなさん» オチはないと思います!!誰かとくっつけたりしても面白そうですけど、わたし的に「誰か一人を選ぶことなんて出来ないッ!」みたいな考えなので……れいなさんがオチの欲しい方でしたらアンケートでもとって決めたいですね💕 (2022年3月15日 18時) (レス) @page45 id: 12c96b02fb (このIDを非表示/違反報告)
れいな - これってオチとかあるんですかね・・・? (2022年3月8日 23時) (レス) id: 9244dafa1b (このIDを非表示/違反報告)
みわ(プロフ) - ren2230011さん» ありがとうございます!実況者さん好きなんですよねぇ…(しみじみ)案外気づいてくれる方多いのでもっとふやしてみようかなwこれからま更新頑張ります! (2021年5月16日 23時) (レス) id: 30d5dd2d2c (このIDを非表示/違反報告)
ren2230011(プロフ) - 呼んでいたら突然青鬼さんのぽまえらが出てきて思わず吹きました。凄く好きです!頑張って下さい! (2021年5月16日 22時) (レス) id: 041c7a56e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みわちゃん | 作成日時:2020年8月2日 18時