三輪ちゃんに成り代わった件について

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手が痛かった。

ジンジンと伝わる痛み。

呪力を最後までしっかり纏っていたので、軽減はされているものの、痛いものは痛い。



殴った場所をみると、まるで、月にあるクレーターのように穴が開いていた。

「え……」

思わず声が漏れる。

状況を把握できない。


思わず傑くんの方を見ると、不敵な笑みを浮かべていた。


「…ふ、ふふ……凄いじゃないか！Aちゃん！この調子で行くと、もうちょっと威力をあげられるんじゃないか？」


さあさあ、もっとやろう！もっと頑張ろう！

と、私を穴の空いていない場所へと後ろからグイグイと押してくる傑くん。

…どうした？？？急にやる気になったなぁ……

すると、「何の音〜？」と、ひょこりと顔をのぞかせ、こちらの様子をうかがっている悟が見える。

やはり顔がいいんだよなぁ……


「ああ、Aちゃんが成功したんだよ！あの技に！！！」

「あの技〜〜？なんだそれ…って、お！すっげぇじゃん！やっぱ才能あるっしょ！」

いや、俺の見る目が凄いのか〜？と、まるで親バカのように照れ照れとしながら、こちらへ歩いてくる悟。

…なんだてめぇ。誰だてめぇ。

きっっっっし(((((

ごっっほ！！ごっほ！！！


「ねー、どうやって威力上げるの？
呪力をもっと上げればいいー？」


…ところでですがね。
三輪ちゃんって、刀を使って戦いますよね。

…私って、いつそーゆー系統を習うんでしょうか。

アッ関係ないですねすみません〜！！！


「うーんとね、まずはタイミングを合わせるのが大事だよ」

「タイミング〜？何の？」

「呪力と攻撃の、さ。
二つの小さな威力で相手を責めても、強い敵には敵わないんだよ。一つ一つを確実に強くしなくちゃね。

…例に、悟もそうだろう？」

「それはもう範疇外だから！」

悟を例に出すのはわかりにくいですぜ、旦那！
もはや基準が違うからね？

小さな威力を二回…って、たしか悠仁くんのけんていけん？みたいなやつだよねぇ…東堂にビンタされたやつ！

ちがう？？？あれ、どうだったっけなぁ…


「えっと〜、タイミングー、タイミングよ合え〜！！！」

グッと地面にこぶしを落とすと同時に呪力を込める。地面を見るが、先ほどと同じくらいで特に変わりはなかった。

「…あれぇ？」

思わず困惑していると、悟が声をかけてきた。

「殴りながら呪力を出すんじゃおせーの。常に身体に呪力を流さないと、タイミングは合わねーんだよ」

「…言い方は悪いけど、まぁその通りだね」

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