爆豪は少し素直じゃない 【爆豪勝己】

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分からない、爆豪が分からない



さっき電話した時は爆豪が少しずつわかってきたって思ったのに。



『……爆豪なんて、嫌いになれたらいいのに』



そう思って口にせずには出来なかったけどやっぱり爆豪には聞かれたくなくて爆豪の聴覚奪ってそう言うなんて……馬鹿みたい、私





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爆豪の部屋を出てエレベーターを待っていれば切島に声をかけられる



切島「……いいのかよ、こんなことして。見つかったらタダじゃすまねぇぞ」
『切島は見逃してくれるでしょ……』
切島「特別だからな。」


そう言いながら私と一緒にエレベーターに乗り込む。



『……何？』
切島「耳宮ちょっと時間ある？」



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切島にそう言われて暑い外をダラダラと歩いていれば切島が話し始めた



切島「アイツ、爆豪さ……器用そうに見えて不器用なんだよ。不器用そうに見えて器用な所もあるけどさ。」



切島の言うこと、何となく分かる気がする。爆豪があんな風に言ったのは爆豪なりの考えがあるんだろうし、理由もなくあんなこと言ったりしないと思う。



『……私、爆豪のこと最初なんだコイツって思ったんだよね。耳郎ちゃんの事耳女とか言うし、口も態度も悪いし。……なのに、意外とちゃんと優しいし人の事見てるし爆豪なりに気遣ってるし……』


私の話を切島は黙って聞いてくれる


『……爆豪のこと、少しずつ分かってきたつもりだったんだよね。けどやっぱり分かってなかったみたい』


足元にあった石を蹴飛ばしてそう言えば切島は私の背中を優しく叩いた



切島「爆豪の事をそこまで分かってるのって多分耳宮くらいだろ。自信持てよ、ちゃんと爆豪の事分かってるって」


そう言って切島は笑うと「んじゃ、俺先帰るわ。一緒に帰るとなんか言われそうだし後から来いよ」と言って来た道を戻っていく切島の背中は今までで1番漢らしかった





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……聴覚奪われたって口の動きで分かるんだよ。舐めプが



あんな顔して言ったって説得力ねぇっての。



好きで好きでたまらなくて、Aに好きって言って貰えて、キスだって2回もして……なのに俺は素直に喜べねぇ



俺はAが思ってるほどいい奴でもねぇ


自分でも分かってんだよ



口は悪いし態度も悪いし、暴力的なことも言うしすぐイラつくし……自分が1番分かってるからなんでこんな奴をAが好きになったのか分からねぇ



「……みみっちぃな」

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