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高専の前に着くと夜蛾先生が立っていた。あらら、わざわざお出迎えしてくれたのかな?
私達に気づくとこちらへ近づいて来た。
夜蛾「君がAの…話は聞いていたがとても似ているな」
加味「よく言われます笑 お忙しい中お出迎えしてくださり有難う御座います。加味柚と申します」
夜蛾「夜蛾正道と申します。今日はAが着くからゆっくりしていくといい」
さすが姉さん。いいとこで育っただけあって口調や仕草がしっかりしてる。お義父さんはいつか御三家に入れるようそういった所もきちんとさせてるもんね。私は反抗しまくってたような気がするけど…
夜蛾先生に手土産を渡す作法までスムーズで思わずうわ、と声が漏れてしまった。
とりあえず荷物を置く為に私の部屋へ行くことにした。古い校舎なので時折歩いているところからギシギシと音がする。実家もこんな感じなのかな…だとしたら私が壊しても攻められないんじゃ…
加味「今悪いこと考えてたでしょ」
『…別に』
加味「迷惑掛けたらもう呪具作ってあげないからね」
『ごめんなさいそれだけどうか勘弁してください』
加味「じゃあ大人しくしてて」
『ハイ』
こうみると姉さんって姉って感じが強いんだよなぁ…私が妹感が強いんじゃなくて姉さんが私の扱い慣れてるだけだと思う。十中八九そうだよ。
私達の横を歩いていた梨花が、え?と困惑の声を漏らした。
潮凪「呪具作ってあげない…?ってどういうこと?」
『あー知らないんだっけ』
加味「私が術式持ってなくて、呪術師になれないって事は知ってる?」
潮凪「うん、Aちゃんから聞いた」
加味「私、呪術師になれないから呪具作ろうって思って。だからAの呪具は全部私が作った物だよ」
私の体にピッタリ合ってるし扱いやすい。姉さんは云わば私専門の呪具作る人的な。
梨花は驚きで開いた口が塞がらない状態になっていた。文字通りの事が起こる事ってあるんだね。初めて見たよ。
『ちなみに私が付けてるこの指輪。これも姉さんが作ってくれたの』
加味「Aは呪力量が人の何倍もあって制御が難しいからね。それ付けてたら呪力量を悟られないし自分の思うように呪力が出せるの」
潮凪「思ってた何倍もすごかった」
だから悟にも教えるまでは呪力量も術式も知られなかった。高専に来て外した事もないから本来の呪力量を知られたこともない。つまり、姉さんは天才。私のたった1人の大好きな姉。
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作者名:空白 | 作成日時:2021年6月9日 23時