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何度蹴っても祓える訳もなく。渋々女性を遠いところに飛ばして呪霊から呪具を奪い取り、難なく祓った。
あの女性大丈夫かなぁ…上手く着地出来たかなぁ…
「あららー。相変わらずイケメンなことすんじゃん」
『っ……そっちこそ、相変わらずゲスいことすんだね』
「私はゲスいだなんて思わないけどなあ?」
後ろを振り返ると私が探し求めていた人物がいた。肩より上で切りそろえた茶色の髪の毛に整った顔立ち。相変わらず美人なのムカつく。
『初めまして、呪詛師の高波美佳さん』
高波「初めまして、親友だった加味Aさん」
お互いに相手を睨み合い、呪具を強く握った。
情報によると美佳は特級並の強さがあるらしい。それは私も同じだけど悟の術式コピーしたのが間違いだったかも。呪力の消費量が半端じゃない。
ただでさえ自分じゃない術式使うのに呪力の消費激しいってのに…
『京都で大人しく呪術師やってると思ったのに。なんで呪詛師なんかつまんない道進んだの?』
高波「私はね、上のやり方が嫌いなの。いつも嫌気がさしてた」
『それは私も一緒。だけど関係ない人…ましてや非呪術師を殺すなんて、あんたの方がよっぽどタチ悪いと思うけど』
そう言うと美佳は私に向かって凄いスピードで走ってきた。まずいっ…今攻撃きたら…
高波「はーい、呪具没収」
『ちょっと…それ後輩に貰ったやつなんだから返してよ』
高波「良い後輩もったんだね〜」
美佳は呪具をその辺に投げるとパンパンと手を払った。何なの?人の大事な呪具を汚物のように扱って。ほんっと吐き気がする。
美佳にゆっくり近づき、足を払った。だけどそんなので体制が崩れるほど美佳も弱くはない。すぐに体制を立て直し、私に蹴りを入れた。
『ぐはっ……』
高波「まだまだじゃん」
『うる…さい』
高波「帳の外にいる五条悟に助け求めたら?親友に殺されそうになってるから助けてくださーいって。あ、元親友って言った方が良かった?」
『うるっ…せえ!』
回し蹴りをして美佳の顔に傷をつけた。それだけで怯むほどヤワじゃないってことか。何か面白くなってきたじゃん。帳が下りるってことはどちらかが死ぬってこと。ならやられないようにしないとね。
『美佳、手加減はいらないから』
高波「それはこっちのセリフだよ。A」
どうやら考えていることは同じみたいだ。ニヤリと笑い、走って距離を詰めた。
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作者名:空白 | 作成日時:2021年6月9日 23時