【あんスタ】ちょ、何で逃げるの凛月君？！ (ページ9)

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デンジャラスデイズ-９ページ9

凛月side

俺は目の前の兄から発せられた言葉に、生まれて初めてレベルで目を丸くした。

…え、今こいつ「そうじゃけれども」って言ったよね？え、言ったよね？

てことはあいつ、近々転校するってこと？

凛月「ねぇ、どういうことなの？」

俺がそう問えば、兄者は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして「え、もしかして知らなかったのかや？」と聞いてきたので

凛月「…うん。」

と素直に答える。

すると、兄者は一度何か考える素振りを見せてから

零「凛月、明日のレッスンは確かAの嬢ちゃんがknightsの担当じゃったじゃろ？

そこで嬢ちゃん本人に聞いたらどうじゃ、なんだか人伝に言うことでもない気がするしのう？」

と言った。

そこで、ふと俺は数日前の会話を思い出す。

…そう言えば、何か「絶対来てね！！」って念押しされた気が。

いや普通にサボろうと思ってたんだけど…でも。

凛月「うん、わかったちゃんと行くよ。

…ありがと、兄者。」

そうお礼を告げれば、ニコニコし始めた兄者。

…きもいと今すぐ罵倒したくなるこの気持ちは感謝として頑張って抑えねば。

零「いやいや、とりあえず解決したならよかったぞい。

それじゃ、おやすみ～。」

と、俺が自分の素直な気持ちと格闘していることなど露知らず兄者は呑気にそう言いながら、自室へと戻っていった。

それを見届けた俺も、さっさと自室に戻り布団を被る。

そして、布団の中でさっき聞いたことを思い出した。

…もし、近々Aが転校するのは本当のことだとして。

何で、俺にそのことを黙ってたの？

そんな疑問が、俺の頭の中を占領する。

いや、だってさ。

普通、あんなに毎日好き好き言って追いかけ回してる奴に自分が居なくなること言わないなんてあり得るの？

それって逆じゃないの？

と言うか、もしかして知らなかったのは俺だけなの？

ねぇ、ホントにいなくなっちゃうの？

考えれば考えるほど、あいつの矛盾した行動に疑問が浮かんでくる。

だって、単純に意味がわからない。

頭の中がぐるぐるして、普通に考えようとしても考えられない。

…鬱陶しいのが消えるなら、それで万々歳なんじゃないの？

ふと、そんな言葉が脳内に浮かんだ。

そうだよ、いなくなった方がいいし楽。

そして俺は勝手にそう結論付け考えることを放棄した、

はずなのに結局また考え始めてしまう。

…ねぇ、何でこんなに苦しいの？