第6話 昔話 -序章の終わり- ページ7
『バンパネラに、殺されたの』
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────あの日は、授業参観日だった
お父さんは朝から遠くに仕事に出ていて、
お母さんが参加してくれることになっていた
登校した時から、とっても楽しみだった
いいところ、見せるぞ!って
私は張り切ってた
ラファエルは緊張からか、お腹を痛くしてて
少しの間保健室にいたっけ
でも、お母さんは、
授業の時間になっても姿を表さなかった
どうしたんだろう、何してるんだろう、
何かに巻き込まれた?大丈夫かな…?
そこからは、早かった
授業の途中、突然校長先生が私の名を呼ぶ
「A・シャナットさん!少しよろしいですかな!」
勢いよく教室の扉を開けた音と、校長の荒い息が静まり返る教室に響いた
私は嫌な予感を背筋に感じながら立ち上がる
そこからは頭が真っ白だった
次に覚えてるのは、
母のずぶ濡れになった姿と、
首筋に生々しく残る、
2つの穴
最初は、何か分からなかった
でも分かったの
バンパネラの噛み跡だって────
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「…その話、知ってる」
『あら、私のお母さん有名人ね』
エドガーが口を開いた
どうやら旅の下見で、
この町について調べていたらしい
「でも、溺死ってことになっていたよね」
…そう
学校側がバンパネラの仕業だと、
認めなかったのよ
私は首を縦に振る
『そこからはやっぱり
学生の情報網ってすごいのよ、
この池で女性…私の母が亡くなったことも、
私の母だということもすぐにバレた』
その事件以来この池の周りには
誰も近づかなくなった
もちろん温室にも
いつの間にかこの温室は生徒達の暗黙の了解で
立ち入り禁止エリアや、心霊スポットとして
扱われるようになっていった
やはり
この町の人々は、常に
新しい何かは無いかと、
敏感になっている────
「……この町は、平和だね
不気味なぐらいに」
エドガーが小さく呟く
『うん────本当に不気味』
私は母から貰ったハンカチを
握りしめる
力強く
「────ねえ、解く気はない?」
突然、アランが言う
その瞳は期待をした輝きを纏っている
『……何を?』
「学校側の結論と、この町の平和について」
エドガーが、アランの言葉を補う
知りたい
『知りたい』
なんで
『ずっと不思議だった』
どうして?
『知りたい、私』
2人の瞳を見つめる
「─────決まりだね」
序章
終
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噂のキャンディー.*゚(プロフ) - 続きを…!お恵みください! (8月11日 19時) (レス) @page7 id: 97930f92c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:少女C | 作成日時:2023年1月22日 12時