中原中也ちゃん

帽子が10こ ページ12

ぽつり、ぽつりと小さな声で話始めた

『太宰は、嫌い

嫌いだ、大嫌い

だって
俺の事を馬鹿にするし
人で遊ぶし
嫌がらせするし
セクハラしてくるし
クズだし
すけこましだし



それに、女として見てくれないから』

「！」


『最初気がついたのは、手前が女と話してるとこ見たときだ

心臓が苦しくなって、息がしにくかった

だからつい、姐さんの所へ逃げた

相談したら、恋だってさ……


まさか、思った

でも、自覚すると
すんなり心に馴染んだ

抱き付かれんのも厭じゃ無かった

だって、好きなやつだから……

でも、俺他の奴にもやってんの見てよぉ



俺だけ、じゃないんだって思ってまた苦しくなって

嫌いになって、』
「うん、」

『嫌んなって、諦めようって最近思って


ちょっと、やっちまって姐さんに怒鳴られた』
「何したの？」

黒い長手袋を外した
『じ、しょう…こう…い、リスカ、』

手首には、切りつけた後があった
「中也、君、死のうとしたの？」

『した』
「なんて、ことしたんだ！！」

ビクリと肩が動いた

『苦しい、ぐらいならと思って、』
「中也

もう、そんなことしないで…頼むから……」

『ごめんなさい、』

ポロリと涙が零れた



「中也、私と付き合って」
『よ、ろこんで…』

「中也のハジメテちょうだい」



『貰えバーカ』

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ラッキーカラー

あずきいろ

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