[短編集]姦しく幸せな日常を[wrwrd][完結]

怪我を隠されてみた *リク* ページ15

零蝶さんリクエスト
[怪我を彼に隠されてみた]



グルッペン


グ「っ、大丈夫だ」

彼の顔についてしまった傷を撫でれば、彼は隠すようにその手から顔を背けた
守れなかった。
ごめんね、と何度も呟けば彼の口がそれを塞いで
「違うゾ、お前が気に病むことじゃない」
彼からすれば貴方が生きていたらそれでいいのだ
こんな傷など、どうでもいいほどに



トントン


ト「大丈夫やって、っうわ！」

足を引き摺っているのに大丈夫と言い張る彼
無理矢理手を引き、椅子に座らせば彼は頭が追い付いていないのかぽかんとしている
『…大丈夫ちゃうやん、こんな腫れてるくせに』
スボンを捲れば痛々しいほどに青く、それは腫れていて。
ジトリと彼に視線を投げかければ
彼はバツが悪そうに目を逸らした
手当に関しては案外素直に受けてくれたのでまだよしとしよう



鬱先生


鬱「、よおわかったね…」

すれ違いざまに感じた多少の違和感
以前彼に隠していてもバレた時と同じような対応を取れば、彼は苦笑を零した
何だかんだ私も貴方のことは分かるんだよ
そういう意味を込めてデコピンをすれば
相変わらず汚い喘ぎ声を上げていた



ゾム


ゾ「…大丈夫っていうてんのに…」

手当の最中も不満げに口を尖らせている
今はツーマンセルで行う任務中、どちらが欠けてもいけない
『ゾム、怪我したら隠さんで
私に、一番いやな決断させやんといて』
貴方が真っ直ぐ見やれば彼は言葉を詰まらせた
どちらかにもしものことがあれば、
その際は見捨てなければならない
どちらも死ぬわけにはいかないから
彼は貴方に、小さく「ごめん」と呟いた



シャオロン


ｼｬ「っ、それ、前俺が言った…」

なんで分かったのかという問いに
『まあシャオちゃんのことやし』と言うと
カアっと顔を赤くし、口元を隠された
以前彼に言われた言葉を言っただけなのだが
何気に嬉しかったらしい
『ふふ、顔真っ赤』
可愛らしい反応に満足だと彼の頬を撫でれば
彼は悔しそうに顔を背けた

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