赤に濡れる罪(syp) ページ30
(流血表現あり注意)
煙草を吹かすその後ろ姿に思わず笑いが零れそうになった。
なんてがら空きなの。
背中をとられているとわかっているくせに。
どうしてそんなにも、私を信頼しているの。
『…。ショッピくん』
呼びかければすぐ振り返ったその紫の瞳
やはり誰が後ろにいるとわかっていたらしい。
驚きもしなかった紫が私を映していた
ｼｮ「…先輩？なんかあったんすか」
猫のようなカンの鋭さ
火元をバルコニーの手すりで潰した。普段なら足で潰すか、しゃがんで床に擦るくせに。
目を逸らさず後ろにも下がらず、私を真っ直ぐ射抜く瞳。
違和感を感じ取っているからだろう
近づきもしない。
完璧だな。
『ごめん。』
ｼｮ「なにを、っ！！」
首を傾げるよりも、止めようとするよりも前に。
力の差は流石に埋められないが、不意打ちなら誰にも負けない。
ｼｮ「な、んで、」
身を引き裂くような、何度も聞いたことのある内臓を抉る音
そして生暖かい手にかかる赤い液体。
生きていた、その温かい証。
陰に隠れたナイフから滴った液と彼の口から溢れた同じ色の液がぽたぽたとクリーム色の床を汚した。
ｼｮ「な、んで…」
『…ワケは、後でいうから』
頭にチラつく秘密の文書
この国はもうすぐ滅ぶ、いや滅ばされる。
流石の彼らも4カ国相手に戦争をするなど、犠牲が出ないわけが無い。生き延びれるとも思えない。
領民は被害の及ばぬように避難を続けているはず
総統でも下せなかった降伏の決断を私が代わりに下すのだ。
それが許されたから。
全ての罪は私が背負うから。
だから。
『…大丈夫、後で会えるんやから』
理由なんか後でゆっくり話すよ、時間は沢山出来たから。
ｼｮ「ま、て」
力が抜けていく彼が覆い被さるようにもたれかかってくる
ごめんね、痛いね。ゆっくり休んで。
『愛してるよ』
きっと一番安心できる言葉を最期に。
私は彼にグッとナイフを押し込んだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
(嗚呼、決断を下させてしまったんか)
(申し訳ないわ、全部背負わせて)
(愛してるって、俺の方がって、言いたかってんけどな)
＿＿＿＿＿
姦しく幸せな日常を
…夢主に殺されてみた、抜粋
つららちゃんリクエストありがとう〜！
遅くなって申し訳ない…ややこしいお話にしてしまったけど雰囲気で楽しんでね()
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琴葉(プロフ) - 逆音つらら@ちゃげっ娘。さん» こちらこそ、ずっと読んでくれててありがとう！！コメントくるたび私もニコニコしてたよ…！本当に、長く書き続けてしまったけど、見守ってくれてて本当にありがとう！これからもよろしくね！ (2022年4月25日 21時) (
レス) @page50 id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
逆音つらら@ちゃげっ娘。(プロフ) - 長い間お疲れ様！！琴葉ちゃんの書くみんなが大好きで堪らんかった！毎回更新される度にニコニコしながら読んでた。最後の話めっちゃ好きありがとう...; ;改めてお疲れ様。長文失礼！ (2022年4月25日 20時) (レス) @page50 id: 7d70168393 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 琴葉さん» 全然！むしろお願いしますm(_ _)m わたしほんとに主様の文が好きなんですよ！どうかよろしくお願いします！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜雫さん» ｳｯｯｯやっぱり見たいですよね…私も書きたいです…嬉しいお言葉ありがとうございます…！余白的にしてみたでしたら書けるのですが、それでもよろしいでしょうか… (2022年4月21日 17時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 胸:糞のやつ最後まで見たいです。文が毎回毎回知性を滅茶苦茶に感じる綺麗な文でほんとに好きです (2022年4月20日 22時) (レス) @page46 id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉
| 作成日時：2019年9月12日 0時
