そんな都合のいい話(tn) ページ30
いやだなぁ。少しだけそう思った。
班の子達が揃いに揃って、部活、用事。
結局ある程度までは一緒にしてくれても机の整頓や黒板掃除は私一人の仕事になってしまった。
部活なんて興味もなくて何もしていないし、用事などもない。
てか、頼まれたら断れない。断る理由が無いからだ。
困った時はお互い様。私は『困る事』がないんだけど。
別に私をよく使ってるとか、そんな子達じゃない。
だから仕方ないの。
でも、なんだろうね。
夕焼けで赤くなる教室を何となく一人で見ていた。
綺麗だなぁ。
けどこの景色を誰とも共有出来ない事が虚しかった。
何かが寂しかった。
外を見て黄昏ていれば、突然のドアの音にハッと我に返る。
『ああ、トントンか』
ト「おー、てなんで一人なん」
黒髪、眼鏡、他と比べてぴっしりとした髪、外見だけなら真面目そのものな彼に私は肩を竦めた。皆色々予定があるの、とだけ伝えて。
ト「お人好しやなぁほんま」
眉を顰める彼はそのまま机に手をかけ始めた。
どうやら手伝ってくれるらしい。
シャツを腕まくりして見えた肌はあまりに綺麗で、程よく筋肉質で、嗚呼これを見たらクラス数名はぶっ倒れそうだな。なんて。
何気なしに見つめていれば「なんやねん」と訝しげな目と合った。
私には口悪いんだよなぁ、この人。
ト「…これでええか…あとやることは？」
『もうないよー、ありがと』
なんとなしに悪い気はしない。
この間延びした空気も、自分に向けられる声色も。
そういえばなんで教室に来たんだろう。
ト「頼み聞くんもええけど、たまには人頼りや、自分」
それだけ言ってその場を去っていく。聞く暇もなかった。行くの早くない？
なんでホント来たの。
『まさか、ね。』
そんな自分に都合いい話などあるわけない、まして色恋に興味なさげな彼の事だ。
どうせたまたまだろう。
気づけばもう外は夜の空気を含み始めていた。
いつの間にか、寂しさはなかった。
＿＿＿＿＿＿＿
たまに短編も混じえて書いていこうかな…
てか久々に文書いた。
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琴葉(プロフ) - Nebelさん» いえいえ！こちらこそありがとうございます！多分相手も、うわ、あいつらか…と心底嫌そうな顔してるんやろな…と思いながら書きました笑 (2022年5月7日 1時) (
レス) @page23 id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
Nebel(プロフ) - リクエストに応えていただきありがとうございます！主役達と夢主ちゃんが互いに背中を預けられる､､メッチャいい！(≧∇≦)bこのコンビが敵にまわったら絶対誰も勝てへん(確信)w (2022年5月6日 22時) (レス) id: ad724ae68b (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜雫さん» 夜雫さんコメありがとうございます！遅くなりましたが了解しました！徐々にまた更新していくと思いますので気長にお待ち頂けると幸いです…！ (2022年5月4日 8時) (レス) @page23 id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雫(プロフ) - 日常シリーズが完結した後に見つけました。文とか、彼の反応とかが好きすぎてやばいです！あの！あの！｢彼らに悪戯で嫌いといってみた｣をしてくれませぬか！？主様が好きすぎて辛いです！ (2022年4月7日 20時) (レス) @page13 id: 1708361fbd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - かみぶくろさん» 日常シリーズから見てくださってるんですか！とても嬉しいです…!!リク了解しました、遅くなるかと思いますが気長にお待ち下さいませ！ (2022年2月1日 16時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉
| 作成日時：2021年10月4日 19時
