平凡少女と不良イケメン

三ツ谷くんのインパルス ページ3

「おい三ツ谷、その女誰だ」


三ツ谷くんと話してる時、後ろにいた長身の刺青が入った不良が急に話しかけてきた。

いかつい顔と声に少し驚いてしまう。


「ドラケン驚かすなよ、同じクラスの子だよ」

「あぁ？普通に聞いただけだろうが」

ドラケンと呼ばれた男はちらっと私に視線を向けた。普通に見てるだけなんだろうけど、私は蛇に睨まれた蛙状態だ。

「ケンチンは見た目から怖ぇから笑顔で話しかけてやらないと怖ぇーだろ」

ドラケンさんの後ろにいた少し幼い顔の男の子が会話に加わる

「あ？どういう意味だマイキー？」

マイキーさん、優しさで言ってくれたのかもしれないけど、一食即発しそうな空気が漂い始める

冷や汗をかきかけた時

「お前らこんなとこで言い合うなよ」


と三ツ谷くんが仲介をする


「オレAさん送って帰るわ、今日は遅いし解散しようぜ」


そう言って三ツ谷くんはバイクを押しながら私にヘルメットを渡してきた。


...乗れということか？


「いやいや、三ツ谷くん私は大丈夫！一人で帰れるから、友達と集まってたのに邪魔しちゃってごめんね」

そう言いながら断ると三ツ谷くんはカポッとヘルメットを被せてきた。

「そういう問題じゃねぇだろ、こんな時間に女子を一人で帰せるかよ

あ、コンビニで何か買う予定だった？」


「いや、買うものは特にないけど...」


「じゃあ帰るぞ、後ろ乗りな？」


そう言ってバイクに跨る


「...ありがとう」


バイクの後ろに恐る恐るまたがる、が、ここに来て問題が発生する


どこを持てばいいんだ？え？まさか後ろに抱きつけと？


とりあえず三ツ谷くんの服の裾を少し持たせてもらう。伸びないようにしないと、なんて思いながら持っていると


「ちゃんと捕まれよ、危ないぞ」

と言って腕をぐいっと引っ張られた


行くぞ、とエンジンをかける三ツ谷くん。


ちょっと待って、これはどう見ても後ろから抱きついてるようにしか見えない


三ツ谷くんと呼びかけるもバイクの音で聞こえてないようだ


異性とこんなに近く密着することがなかったせいか、それとも初めて乗ったバイクが怖いせいか分からないが、心臓が早くなっていくのは分かった。









約１０分ほどで家に着いた


急いで後ろから降りて三ツ谷くんにお礼を言う


「わざわざありがとう」


「いいよ、朝宿題写させてくれたお礼ってことで

危ないからあんまり遅い時間に出かけるなよ、また明日な」


そう言って三ツ谷くんはバイクを走らせた

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