【ツイステ】花の王子さま (ページ5)

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4輪ページ5

イデアと別れたAは、廊下を歩いていた

本当はそのまま3年生の教室へ送り届けようとしたのだが、それだけは無理と断られてしまったのだ

因みにその理由も聞いたのだが

「A氏と歩くと拙者のHPがもたない」

要はどちらもただでさえ人目を引く容姿をしているのに、一緒に居ると余計目立つから歩きたくないということだった
全く失礼な話である

故にAがイデアの方に振り返って、すっかり生気のなくなったイデアの後ろ姿に申し訳無さが積もったのは彼女だけの秘密である
次の瞬間には後で何か差し入れでもしようと考えてしまうあたり、つくづく自分が他人に厳しくできない人間なのだと自覚した

再び歩みを進める彼女こ視界の端に不意に何かが写った
気になって窓の外に視線を向けると、何やら外に人集りができている

彼処にはグレートセプンの石像しか無いはずだ
もしや誰がが喧嘩でもしたのではないかと思い、よおく目を凝らすと石像が黒焦げではないか

よく見ると側には学園長も居り、その様子は穏やかではなく生徒を叱りつけているように見える

まさか新学期早々問題を起こす生徒がいるとは思わなかったAの頭の中を驚きと共に一物の不安が襲った

もし自分の寮の生徒なら自分も無関係ではない
何故なら彼女はイグニハイド寮の副寮長であるからだ
副寮長として寮長を支えるというのは大変名誉なことである
これからは１生徒としてだけでなく副寮長として他の生徒の模範となり、寮長であるイデアを献身的に支えていこうと誓ったばかりだった
尚後半は既に実績達成済みであったりもする

叱られている生徒をよく見ようと窓に顔を近付けた時だった
周囲から複数の視線を感じたのは

「…」

こそこそと此方を伺うような好奇の視線
こういう視線は最早Aにとっては慣れっこだが、それでもやはりいい気分ではない

小さく零した溜息は大きな声に掻き消された