【ツイステ】花の王子さま (ページ3)

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2輪ページ3

新学期を迎えた穏やかな朝
それは寮長の絶叫から始まった

「何度も言いますが新学期初日くらい朝から授業を受けて下さい」

「しかし今日のイベントは絶対に外せないんです。時間内にランキング上位100位のプレイヤーにしか配布されない限定報酬があ、！」

布団を引き剥がされたイデアは、突如として明るくなった視界に目を抑えもだえ苦しむ
その様子を冷めた目で見るA
こうした状況をカオスというのだと友人が言っていたのをAは思い出した

「お願いでござるA氏～！」

「その手にはもう騙されません」

駄々をこねる大きな子供とそれを見下ろす美人

開きっぱなしの扉からなんだなんだと寮生が集まり、こそこそと様子を伺う
しかし大半の上級生にとっては最早お馴染みの光景であるため誰も口を挟むことはない

勿論オタクである寮生たちには寮長の気持ちは痛いほどよく分かるが、この論争に首を突っ込むと碌なことがないのだ
所謂だが断るという奴だ

ここでいつも現れる救世主と云えばイデアの弟であるオルト
だが、

「Aさんおはよう！」

「おはようオルト」

ここで言う救世主というのはこの不毛な論争を終わらせる者のことで

「頼まれたものを持ってきたよ！」

兄弟であろうとも味方とは限らないのだ