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交通手段や校舎の景色、周りの人、それから部活の朝練が無いだけで特に中学生の頃と変わらないような日が経った
まぁたった今から朝練が始まるのだが、練習量の差などは慣れるまで時間がかかるだろう
変わらないと言えば先輩に関してもそうだと思っていた
捏島さんなんかは特にそうで、男女ともに話す人が多いくせに恋愛ごとに関しては嫌悪の方向で敏感
愛想笑いも慣れれば気付くものの、本物に限りなく似ているために好悪の差が見抜きにくい人
そう思っていたのだが、何故か違和感を覚えていた
「なぁ、塩戸。お前捏島さんと中学も一緒なの？」
「え？そうやけど、なに？」
「あぁいや、まったくタイプちげぇなって思ってさ。」
「そりゃ兄弟でもあるまいし。」
「そうだよな！」
同じくサッカー部に入部した同級生にもこう聞かれてしまう通り、彼は兎に角目立つ
こちらとしてはそれは本当に迷惑で、目立たなくなるかこちらに話しかけないようにするか、なんて理不尽なことを口走ってしまいたくなるほどだ
だけれどもあまり感情は表に出さず、大声で体がのけぞるほど笑う以外に感情を持ち合わせていないのか？と不思議に思うくらいには親しい人でも伺えないような、そんな人だと思っていたはずなのだ
「あの人、彼女とかいそうだよなー。」
「何お前、そっちの人？」
「いや、ちげぇって！」
「多分作らんよ、てかいること見たことない。」
「マジか...、ってかなんかあったのか？滅茶苦茶不機嫌そうだけど...？」
「あれは....いや、そうなんやない？」
違う
あれは多分不機嫌なのではない、通常の表情だ
そして、何故だか違和感を感じてしまう理由はその表情の男がどこか上機嫌に見えるからだ
今日に何かあっただろうかと考えてみても、新入部員歓迎会くらいしか思い浮かばない
ならば学年の方で何かがあったのだろうか
別に何かあったところで心配するわけでも加担するわけでもない
どうかんがえても浪費、無駄、という言葉が似合うようなことに脳を使ってしまった
最終的にそんな思考に至ると、両隣にいた同級生に引かれるくらいに不機嫌な顔をしていたようだった
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作者名：みつくろりん | 作成日時：2021年12月6日 0時
