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放課後の生徒会室
現生徒会役員たちは全員席に着き、扉の方を見つめる
コンコンと扉をノックされると、旧生徒会との引継ぎも終了しいよいよ生徒会長になったグルッペンが入れと命ずる
扉を開いた一人の一年生は、目を反らしながら入室し自己紹介を済ませた後スピーチを始めた
というのも今日は一年生の役員選出のために、立候補者たちに面接を行っているわけで、形式だけはしっかりとしなければ現役員側が怠けて終了するだろうというトントンの予測の下、かなり御堅く行っていた
あぁ一年生は可哀想だ、なんて他人事に思いながら頬杖をつくとスピーチをしている少年の肩がピクリと動く
「はい、ありがとう。今日はもう帰って大丈夫だ。」
「し、失礼します！」
今もう何人のスピーチを聞いたのだろうか
段々と単一化してきた内容に飽き飽きしながら欠伸をすると、トントンにギロッと鋭く睨まれる
すまんすまん、と声に出さずに両手の甲を見せて振ると、ため息をついてから興味を失くしたようにこちらから視線を外した
「次入れ。」
「はーい、失礼します！」
扉越しに聞こえる陽気な声に眠気が醒める
ガラガラと他の立候補生よりも乱雑に扉が開かれると、その一年生はまるで花畑でスキップをしているかのように軽やかな足取りで入室する
その一年生には見覚えがあった
あまり興味はないはずなのに何故か記憶していたその生徒は、周りの一年生がトントンから視線を外し他に興味を持っていかれているなか、一人物音にも見向きせず真面目に聞いていた瓶底の眼鏡の少年だ
「あの子、鬱先生が気になってた子やない？」
「ロボロお前、その言い方なんか語弊生むやろ。」
「は？そんなん興味あらへんわ。」
冷たく言い放つロボロにお決まりのように喘げば、肘で脇腹を強く突かれる
強く叩くのでは大きな音を立ててしまうために突きをされたのだろうが、結構痛い
「お前ら何やっとんねん、真面目に聞き？」
いつの間にか後ろにいたトントンが仁王立ちして威圧をかけてくる
なんだかいつも見ているような気のするそれに、冷や汗を流しながらヘラヘラと胡麻を摺っているとジトっとした目で睨みつけられる
チラチラと周りを見渡せば、既にスピーチは終了したようだ
どうやら先ほどの生徒が最後だったらしい
ロボロはこちらに絡みながらも話は聞いていたらしく、既に仕事を纏め帰宅準備をしている
裏切りもの、と叫べば今度は容赦なく背中を叩かれた
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作者名：みつくろりん | 作成日時：2021年12月6日 0時
