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ギィッと木がきしむ音を立てて扉が開く。
先ほど少女に追いかけられた廊下だ。
ユウは少女がいないことを確認し、部屋の扉を閉めた。
ツンッと独特なのにおいが鼻を突く。
「ローリーとセレアは大丈夫なのかな…」
ユウは申し訳ない気持ちになりながらも廊下を歩き続ける。
一定間隔ごとに設けられた大きな窓からかすかな光が差し込み、ユウが歩くたびに床がきしむ。
壁には金色の髪の人の周りにたくさんの人が集まって手を伸ばしており、その横に天使がいる絵が描かれている。
まるで多くの人が神様に向かって救いを求めているような…そんな絵。
ユウは特に立ち止まることなく廊下を歩き続ける。
廊下の端まで歩くと、大きな階段が待ち構えていた。
自分の家の階段の二倍広い階段。
二階は一階よりも更に暗く、下からはほとんど何も見えない。
ユウは登ろうかどうしようか迷っていると、二階からオルゴールの音が聞こえた。
ユウ自身はその曲を聞いたことは無いが、それはどこか安心感を与えてくれる曲で、
ユウは何かに誘われるように自然と階段を上がっていた。
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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年4月9日 22時