昔と今 その2 ページ10
私には術式が無い、呪力量だけ無駄に多かったから、呪具使いでも目指そうかと思ったから中学生のうちに夜蛾さんに許可を取って呪具を借りて少し使ってみたが、ソードブレイカーとかの小回りが利くものしか上手く扱えなかった。
昔の本で法術や、呪術の歴史の本を読んだら、「蟲毒」という呪法を知った。内容は、複数の虫を容器にいれてお互いを食わせて、生き残った虫が呪いを持った強い虫。というものだった。私はそれをそこらに居た呪霊で試してみた。結果は成功、今でもその呪霊を使役している。
これならいける、と思った私は、進路を呪術師にした。昔から私はこの世界で生きてきたんだ、今更変えるのも気持ち悪い。これを硝子姉さんに言ったら「本気か⁉」と言われた。
まぁこの世界は一呼吸の間に誰かが呪霊、呪詛師に殺されているからな。何も知らないまま普通に生きて欲しかったんだろう。
でも無理だ。私が成長して、兄さんの声も言葉も忘れてしまった。でもそれとは逆に、「何で捨てたのか」そう思う力が強くなってしまった。そして、「許せない」という思いも強くなった。
この思いはもう、誰にも止められないだろう。遅すぎたんだ。
...
12月24日 百鬼夜行当日
久々に夢を見た。私と兄さんが仲良く過ごしてる夢。もう、そんなもの見たくもなかったのに。もう、見ることなんかないのに
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作者名:仄暗廻 | 作成日時:2023年1月18日 23時