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【雨天の下】 ページ2

え……。
路地裏は一本道。建物の壁と壁の間に出来た細い小道を真っ直ぐに進むと、建物の裏口を照らす笠被りの電球の傍に汚れた派手なスーツを着た男性が座り込んでいた。紫のクラゲのような髪型。俯いていて、表情は見えない。


酔っ払いか、ホストか何かだろうか?
見つけてしまったらほったらかして来た道を戻るわけにもいかず、私は傘をさしたまま、しゃがんで男性の肩に手を伸ばした。


「だ、大丈夫ですか?」


「……っ」


ビクリ、と男性の肩が揺れる。
どうやら気を失ってる、なんてわけではないらしい。


「追って、来たのかよ……」


「は?」


「悪ィけど、お前らが欲しがってる情報は持ってねェ」


お前ら?情報?
訳のわからない事を、息も絶え絶えに喋る男性にヤバい奴なのかもしれないと背に汗が滲む。


「殺さ、ねぇのかよ……」


「なんで殺すんですか」


ゆっくりと顔を上げた男性は、頭を怪我しているのか顔の片側から血が流れている。
喉から「ひっ!」と短い悲鳴が飛び出した。

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作者名:はいず | 作成日時:2022年7月31日 22時

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