【 東リべ 】オレの馴染みのヤツ

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「 タカちゃんは借りがあるから、2切れアタシの方ね！」




机に料理を広げ、みんなで座ったあと満面の笑みで俺の皿からカツを取り上げるA

…取ってく2切れが、カツの端っこなのが腹が立つほど優しくてムカつく




今日の献立は言わずもがなカツと米と味噌汁。それに残りもんの惣菜がタッパのまま置かれている。

4人分の料理を置いただけで、机はすぐにいっぱいになってしまった。





「 せーの 」

「「 いただきます！！」」





マナの可愛い声掛けで皆で手を合わせて一斉に飯を食い始める

我が家(A)は食べ方に煩く、箸の持ち方から左手の使い方までルナとマナに教えながら自分の分も食べている


それをボーッと眺めながらAが揚げてくれたカツを頬張る。
サクッと音がして旨みが広がった

やっぱり俺よりもコイツが作った方が飯は美味い。






「 安田っちから伝言あるけど、今聞く？それとも食べ終わってから聞く？」



マナの口を拭きながら唐突にAが口を開いた。

部活休んだ事を今の今まで忘れていた…
次の部活の時安田さんに怒られんな〜



「 んーー今 」


「 夏休み中の部活は絶ッ対に出席！！」




安田さんの鼻にかかった、Aよりも少し高い声

ピシッと人差し指で眉間あたりを指さされ、
少しイタズラな顔をしたAがニヤッと笑っている




「 ちょ、今のめっちゃ安田さんに似てる 」

「 でしょ〜！安田っちは真似しやすい 」





それでねそれでね、なんて続けるA。


きっと俺が浮かない顔をしていたのか、それともちゃんと笑えていなかったのか。
多分Aは気づいているからこうも明るくしてくれている。








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