【ツッコミ系】笑って、触れて、愛して。 2

サムライ翔さんと。 ページ30

引き続き同じリクエストです！


「せーんぱーいっ！」

「翔くん？」

「どーもっス。珍しいっスね、日曜に会うなんて…どうしたんスか？」


「暇だからぶらぶらしてただけ〜」ってゆるく笑う夢主さん。

同じ大学の先輩で、何かと頼りになる優しい先輩。

…ほんで僕の片想いの先輩。


「あ、そうだ！翔くんにお願いがあるんだけど…」

「え？僕にですか？」

「同じ学部の子から“遊びに誘っといて”って言われてて」


めんどくさ(即答)

え、先輩以外の女の子…なんかな？いやでも何で僕…？？


「えっと…それって知ってる女の子っスか？」

「んー…翔くん知ってる？〇〇さんっていう…」

「あー…何か男友達の口から聞いたことあるような…」


…嫌やなぁ。俺夢主先輩となら即答ではいって言うのに。

てか、1度も話したことないよな？え、何それその人なんか怖いな。


「…翔くん今失礼なこと考えてたでしょ。悪い子じゃないし可愛い子だから1回くらい…」

「先輩、俺ね、好きな人いるんスよ」

「……え、？」

「だから悪いんですけど断っといてもらえます？」


自分から「人任せで遊びに誘うようなビビり興味あらへんよ」って言ってやりたいけど。

…てかほんまに僕なんかな、違う人って可能性もあるよな…？


「あー…うん、分かった。言っとくね」

「…ねーぇ先輩、僕の好きな人、分かります？」


少し驚いた先輩と、目がぱっちりと合う。

…いやバカ、今ここで告っても避けられて終わりやん、ミスった。


「…そんなの、本人から聞いたことないから分かんないなぁ」

「あは、まあそーですよねぇ」

「……私だったら良いのにな」


人混みのうるさい騒音の中から、ポツリと聞こえた小さな声。

もしかしたら聞き間違いかもしれない、ほんとに、小さな声やったから。

じゃあねってゆるく笑う先輩の、腕を掴む。


「え、え？翔くん？？」

「俺が言わなきゃ分かんないんスよね？」

「…？」


キョトンとする先輩は、今の状態を分かってなさそうで。

彼女の腕を掴んだ手に、少しだけ力が入る。


「夢主さん、俺あんたが好きっス。…2人きりで遊びに行きません？」


先輩が見たことないくらい真っ赤にして、大きく頷くまであともう少し。


(＿＿頼りになって、憧れて、それが僕の恋なんス)

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