迷惑な二人組 ページ35
銀時が私に言った「Aお前…」に続く言葉を私はただ黙ってソイツを見つめて待つ。いつになく真剣な……まぁいつになくっていうか10年間会ってなかったけれど、私が見てきたその死んだ魚のような目はそんな色をしているように見えた。
銀「……あのさ、……なんか太ったか?」
「……は、」
はあああ!?という絶叫がその場に響いたのは言うまでもない。賑やかな街が私の声によって一瞬静かになったような気がした。私に街にいる人の目線が集まったような気がした。それに恥ずかしさを覚え、口を押さえるとすぐに銀時に詰め寄り襟元を掴んだ。
「…10年前の旧友との再会なのに何よそれ絞め殺されたいの…!?」
銀「オイオイそう怒んなっつの冗談だよ鵜呑みにすんな」
「女子に言っていい冗談じゃないでしょうがっ!」
訴えながら私はソイツをブンブンと前後に揺する。「あ、ヤメテA俺昨日の二日酔いで気持ちわり…」とかなんとかほざくソイツをひと睨みし、仕方ないので離してやった。目の前で吐かれちゃ気分悪いし。
「…ったくアンタはデリカシーってもんが抜け落ちてるわ。10年前と変わらない」
腕を組んで自身の胸の辺りを擦るソイツにそう言い放つ。そう。何も変わらない。気だるげな顔も死んだ魚のような目も口調も。
「……ホント、変わらないな〜」
それにどうしてかホッとしてしまって、私は無意識に頬を緩ませていた。それを見た銀時もフ、と笑みを溢し。
銀「お前も変わらねぇな」
そんな言葉を交わし合い、笑った。
銀「それよりA、お前なんだってあんな所にいんだよ。しょっぴかれたか」
「は?いや銀時じゃないんだから」
銀「オイコラそれどういう意味だ」
そのままの意味である。それに今の私の格好を見たら分かるはずだろうが。
「アレよ。真選組に入ったの私」
銀「…は、」
はあああ!?という絶叫が今度は銀時から発された。街中で迷惑な二人組である。通報されたらどうしよ。私警察なのに。
銀「なんでんなことになってんの俺が知らないうちに!!お父さんはあんな男所帯に住むようなアバズレに育てた覚えはありません!!」
「アンタの娘になった覚えもありません」
おかしなテンションのソイツにピシャリと返す。つか誰がアバズレ誰が。本当に絞め殺したろかこの天パ。
「んで、銀時は今何してんのよ」
面倒なので適当に違う話題に路線をずらした。
銀魂!ラッキー食べ物オオオ!!
卵かけられご飯
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パエリヤさん - やばい…やばいです…めっちゃ面白いです… (2021年11月6日 17時) (レス) @page48 id: cc2519b90c (このIDを非表示/違反報告)
ぽんち - すみません…結構前のでしたね…ごめんなさい。お気になさらず (2019年3月20日 18時) (レス) id: 4af8f25fc3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんち - 攘夷がじょういになっていますが、変換ミスでしょうか…?なにかの伏線であれは申し訳ないです!! (2019年3月20日 17時) (レス) id: 4af8f25fc3 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - アカツキさん» あああ!!本当ですね!ご指摘ありがとうございます!!助かりました!!直しておきます!! (2017年5月9日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 題名の【土方十四郎】の郎っていう字まちがっていますよ〜 (2017年5月9日 18時) (レス) id: 83b55b950f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年3月22日 14時