流れ流され御機嫌好う (ページ6)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:29,917 hit

6.S ページ6

「あー…あの日、結構飲んでたもんね、翔さん」

社内の食堂で後輩の潤に俺は事の顛末を簡単に話した。コイツは松本潤。俺の2つ下の後輩で、言うなれば部下みたいな者だが…何せ派手な顔でいつも女子社員から注目の的である。愛称は松潤。キムタクかよ、ってな。

まぁだが実際仕事は出来る。そして何よりストイックだ。だから俺はコイツを結構気に入っている。なんか敬語を使わなくても許せるんだよね。おまけに気配りも上手でやることがいちいちスマートなんだ。当然女子は放っておかないんだけど、俺はコイツが特定の誰かと親密にしているところは見たことがない。公私混同はしないタイプ、なのかね。

「…でも、すごいね。なんだかんだその男、ほんとに翔さんの家にいるんだ」

「あー…うん、たぶんいる。」

「でも珍しいね、翔さん人を家にあげるタイプじゃないのに。結構壁つくるもんね」

「だろー？俺もそう思う。風邪でも引いたかな」

潤の言うとおり、俺はあまり人に対して自分を出さなかった。というより、誰に対しても平等で、それが余計な面倒事を避けることを知っていた。だから俺は滅多なことじゃ人を家にはあげないし、何ならルームシェアなんて以ての外だ！

本当に、一体どうしてしまったんだろう。