十七仕事 ページ19
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ゆさゆさ、ゆさゆさ
頭が揺れたような、不快感を感じて双葉は閉じていた目をゆっくりと開けた。
何度か瞬きをして、周囲の情報を取り入れ出す。
ネックレスが目の前で揺れていた。双葉にはよく分からないが、高そうな、銀製に見えるチェーンに通された銀色の指輪。
オシャレのひとつとなる物をじっと見ていたら、ぬっと顔が現れた。
まず、サラサラの茶髪に目を向けた。双葉は、うらやましいサラサラだ、と自分のくせ毛をぼんやりと思い出しながら、思った。
次に、整った眉と切れ長の目。ここで双葉は、あれっなんか見たことある顔だなぁ、と思った。
最後に、顔を目の前に現せた人物の顔全体を目にした。
ぱちぱち
再び何度か瞬きをする。
……………
久世と双葉の間に、身動きひとつない沈黙が訪れる。
「ぎゃぁぁぁあああ?!?!」
化け物を見たかのような双葉の叫びっぷりに、久世は整った顔を顰めた。
「な、なん、な、ぬんえ、久世さんが…」
もう言葉にすらなってない。
何とか聞き取れた言葉と驚き方から察するに、
“なんで久世さんがここにいるんですか?”
そう聞きたかったに違いない。
久世はなんだか申し訳ない気持ちが湧いてきた。これではまるで、寝込みを襲ったみたいだ、と思ってしまった。
いや、実際そんな気持ちは100%なかったのだが。
ちょっとまて、と久世は罪悪感に沈む心を止める。
おかしい。ただ自分は仕事をサボって寝ていた双葉をわざわざ起こしてやっただけだぞ、と。
心が落ち着いて、久世は言った。
「飯だ。早く作れ」
「は、はい! すみません!」
素早く起き上がった双葉は、キッチンへ走った。
久世は、部屋の主が居なくなった場所で、深い深い溜め息をついた。
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〜〜〜
淡白な夫みたいなセリフだなと思ってしまいました。
ぬんえ、は作者の誤字をそのまま活用。
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壱(プロフ) - 白銀の狼さん» 猫たちの名前は白銀の狼様の案を採用させて頂きました!ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 名前ありがとうございます!わざわざ作者の戯言にも気遣いいただいて…続編は作ります (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 白銀の狼さん» センスある名前ありがとうございます! (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 猫の名前ですが、きゃらめる、とかちょこ、とかばにら、とかひらがなでスイーツ系でつけてそうです...!私は続編に行こうが見ますし、作者様が作りたくないと言うなら素直に受け止めますのでじっくり考えて続編出すか出さないか決めてください♪ (2019年11月11日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
白銀の狼(プロフ) - 猫さんの名前お母さんはリズ、お兄さんはリオ、弟さんはリトなんてどうでしょう? (2019年11月11日 0時) (レス) id: d028fadf80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年5月6日 21時