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『……勘右衛門、三郎』



どうやらここは、学級委員長委員会の活動部屋の前だったらしい。

委員会活動中だという二人。
三郎は私と喜八郎を交互に見て、首を傾げた。


「こんなところで何してるんだ?仕事?」

『あぁ、えっとね』

「まさか二人でデート!?うっそA、勘ちゃん悲し〜」


出た、勘ちゃんの全然悲しそうじゃない嘘泣き。

私は大きく首を横に振る。



『か、勘ちゃんったらまたそんなこと言って!仕事だよ、喜八郎には手伝って貰ってるの』

「そうなの、喜八郎?」

「そうです」


先程まで私を至近距離で見つめていた喜八郎は、まるで何事も無かったかのように頷いた。


そんな喜八郎を見て、私もほっと息をつく。



正直、勘ちゃん達が来てくれてほんとに良かった。


あの雰囲気のまま過ごすのは、流石に気まずい。

結局、喜八郎の言葉の理由は全然分からなかったけれど……



『そうだ、渡したい書類があるの。今度の予算会議の詳細が……』

「げっ、もうそんな時期かぁ」


私が差し出した束を見て……といっても他の委員会に比べれば圧倒的に少ないが、勘ちゃんは顔を顰める。

今まで予算会議には無縁だった学級委員長委員会も、今期からは会議に参加する事となったらしい。




「まあ、詳しい話は中で話すとしよう。Aと喜八郎も来ればいい」

『でも、活動中なんでしょ?』

「いやぁ、活動って言っても、ほぼ遊んでるだけのようなものだし。見てみろ」


ほら、と三郎は少しだけ部屋の襖を開く。


言われた通りに中を覗いてみると、一年生二人が座布団に座ってお茶を飲んでいた。


『えっ、ほんとだね』

「本当だ。普段はほとんど仕事もないしな」



……さて、どうしようか。

本当なら是非と言いたいところだけれど、そんなにゆっくりしている時間は無い。

それとなく喜八郎に目配せをしてみるが、喜八郎が気づく気配は一向に無い。



「ちょっとでいいから喋っていきなよ〜」

顔の前で手を合わせてこちらを見てくる勘ちゃん。





『……じゃあ、ちょ、ちょっとだけ』



やっぱり、押しには弱い。

私と喜八郎は、二人の後に続いて部屋に入った。

☆→←☆



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作品ジャンル:恋愛
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海鈴(プロフ) - まみむーさん» わぁあとっても嬉しいです!!頑張ります! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 面白い作品の予感……!更新楽しみにしてます^ ^頑張ってください! (2021年6月23日 21時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海鈴 | 作成日時:2021年6月22日 22時

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