大丈夫 ページ33
「それでその時エバンズがさ…」
「ジェームズ、その話は今日で3回目だ。聞き飽きた」
20日間の厨房掃除の罰則も今日で終わり。ジェームズとシリウスは相変わらずサボっていて、その横でAはせっせとオーブンを磨く。
ふと、思い当たり、Aは手を止めて尋ねる。
「ねぇ、二人とも今日って満月よね？リーマスは大丈夫？しばらく会ってないから心配なの」
「昨日から医務室に行ってるから俺らも会ってないけど、毎月の事であいつも慣れてるから大丈夫だろ」
「…そう、それなら良いけど」
「おはようございます！」
「あら、あなたがここに居るということは罰則は終わったのですね」
翌朝、Aは朝食のスコーンを2人分掻っ攫うと医務室へ来ていた。
「マダム、リーマスは…」
「ミスター・ルーピンなら奥のベッドで休んでますよ。もう手当も済みましたので、目が覚めたら帰ってもらっていいですからね」
Aはリーマスの元へ駆け寄る。
「…おはようA」
「おはよう、リーマス」
寝起きだからだろうか、ぼんやりした表情で挨拶をするリーマス。
「疲れたでしょう。よかったら朝ごはん持ってきたからここで一緒に食べよう？」
そう言ってスコーンを取り出すA。
リーマスは手渡されたそれをぼんやりと見つめている。
「リーマス聞いてよ！昨日まで罰則だったんだけど、20日間毎日掃除だったのよ。さすがに長過ぎて、もう少し真面目に課題を出そうと今回こそは反省したわ。罰則はジェームズとシリウスも一緒で…」
罰則中の愚痴を話しだしたAだったが、リーマスがなおもぼんやりした様子な事に気づき、口を噤む。
「…リーマス、こっちを見て。…何かあった？」
「…えっ、何ともないよ」
Aの言葉にハッとして顔を上げる。
「…大丈夫、大丈夫だから」
リーマスは何か思い詰めているように見えた。人狼の事だろうか？
自分には彼に対して、できる事があまりにも少ないと感じ、Aは悲しくなった。
「リーマス、わたしじゃあまり役に立たないかもしれないけど、いつでもあなたの味方だし、あなたの周りには支えてくれる人がたくさんいるわ。どうか抱え込み過ぎないでね」
そろそろ授業の準備しなくちゃ、と言うとAは医務室を後にした。
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麗(プロフ) - 34ページも同じく名前変換が出来ていないところあります。 (2021年2月4日 9時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 16ページ 多分なんですけど、名前変換が出来ていないところあります。 (2021年2月4日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2021年1月17日 10時) (レス) id: 78ad243e0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2020年11月28日 20時
