疑惑 ページ4
2年生になったAの日常は、課題を出さなくて怒られる以外はホグワーツの生徒としては比較的穏やかに過ぎていった。
休み時間に医務室へ入り浸るのは変わらず。
マダム・ポンフリーもAが居座る事に慣れ、簡単な治癒魔法くらいであれば彼女に任せる事もあった。
「ミスター・ルーピン、こちらへいらっしゃい」
マダム・ポンフリーに連れられ、ぐったりした様子の鳶色の髪の少年が医務室へ入ってきた。
(またあの子だ…)
彼は毎月のように青白い顔をしてやってくるのだ。
かと思えば大きな切り裂かれたような傷を負って連れられてくる事もあった。
Aは一度マダム・ポンフリーに彼について尋ねた事があったが、「人様の医務室に来る理由を、あまり詮索するもんじゃありません」と何ともつれない返事だった。
そして、Aが少年の周りの事を手伝おうとすると、マダム・ポンフリーは決まってそろそろ寮にお戻りなさいと言うのだ。
きっと、彼には自分が首を突っ込むべきでない隠し事があるのだろうとAは察し、今日はもう寮へ帰る事にした。
(もうすぐ満月だな)
廊下の窓から空を眺め、ふと思う。
(あの子、そういえばいつも満月の前にぐったりしている…？)
Aの頭の中で、パズルのピースがカチリとはまる。
(満月、隠したい事、切り裂いたような傷…)
消灯時間はぎりぎりだったが、Aは図書室へ走った。
(あった！)
図書室の魔法生物についての棚、夜行性生物についてまとめた本の中にその記述を見つけた。
Aは急いでその本を借りると、寮へ戻った。
自分の部屋へ戻り、借りて来た本のページを捲る。
人狼…、そこに記載されている事は、鳶色の髪の少年とぴたりと当てはまった。
「人狼に噛まれた者は感染し、治療法は…ない」
Aはぎゅっと胸が締め付けられるような気がした。
彼は恐らく同い年だろう。それなのに……
治らないなんてあまりにつらくて悲しくて、Aの目からは涙が零れ落ちた。
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麗(プロフ) - 34ページも同じく名前変換が出来ていないところあります。 (2021年2月4日 9時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 16ページ 多分なんですけど、名前変換が出来ていないところあります。 (2021年2月4日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2021年1月17日 10時) (レス) id: 78ad243e0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2020年11月28日 20時
