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『えっ！？』
「何だと！？」
山賊の怒鳴り声が響いたその時、強い風が空気を切り裂く。
咄嗟に上を見上げれば、目にも止まらぬスピードで四人程の人が降りてきた。
「し、潮江先輩！それに先輩方も……なぜ！」
「話は後だ！」
左門くんは驚いたように口をあんぐりと開けて、それに「潮江先輩」と呼ばれた緑の人が答える。
間髪入れず怒り狂った山賊が大勢で飛びかかり、目の前で激しい戦いが始まった。
『わ、私も』
加勢しなければと私は竹刀を手に取るけど、先程切られた右肩から血が滲む。
反射的に傷を抑えれば、緑の装束の人に大きな声で制止された。
「天女は待機！右肩はあとで応急処置！」
『……っ！すみません、』
"応急処置"という言葉に驚きながらも私は左門くんに連れられ、離れたところに身を置く。
もう戦えず、遠くからこの戦いを見届けるしかなくなった。
「何っ」
「遅いっ！」
乱暴、そして闇雲に振りかざされる武器。
しかし忍術学園の人達は木の高さや地形を利用し、それを避け、華麗に飛び回る。
まるで、舞っているみたいだ。
『青紫、緑……五年生と六年生か。本当に凄い……』
初めてここに来た時私が隙をつけたのは、天女だからと油断されていたのか、手を抜かれていたのかどちらかだと今は分かる。
まだ忍たまとはいえど……これが、"忍者"というものなのだ。
(……私も、こんな風になれたなら)
悔しいで埋め尽くされた心のどこかで、そう、強く思った。
.
.
.
「うわぁぁ！」
「ハッ、造作もない」
緑の装束の人が、笑いながら懐に苦無をしまう。
……結局、山賊が撤退するのには五分も掛からなかった。
『っ、』
「Aさん！」
戦いが終わって、そして見つけてもらえて安心したのか、私は思わずその場に座り込む。
すぐに左門くんが駆け寄って来て、ごめんなさいと今にも泣きそうな表情を浮かべた。
「僕……！」
違う、左門くんのせいじゃない。
そう私が首を振るより先に、"潮江先輩"と呼ばれていた緑の人が声を上げる。
「……天女、お前には山ほど聞かなければいけない。勝手な行動は慎め、そう言われていた筈だな」
「潮江先輩違います！僕が、」
『…はい』
左門くんが反論してくれようとしたけれど、それを止めて私は頷いた。
…全くその通りだ。
返す言葉も無く、私はただその人の顔を見つめる。
「……しかしそれよりも、俺個人が、お前に言わなくてはならない言葉がある」
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凛(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (4月16日 22時) (
レス) id: f020fc6e38 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。また頑張りますね！ (8月28日 20時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新をずっとお待ちしていた作品なので本当に本当に嬉しいです…！！これからも、陰ながら応援させていただきたいです！ (8月26日 8時) (レス) id: 17751e89f9 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - 麗羅さん» お久しぶりです、コメントありがとうございます！そうなんです……。あっちはいろいろ慣れなさすぎて、一時帰国ではなく日本にずっといたい位です笑更新頑張りますね！ (8月24日 1時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - 更新ありがとうございます！海外留学中だったのですね……。すごいです！これからも応援しているので、作者様のペースで更新頑張ってください！ (8月21日 22時) (レス) @page26 id: 5152279fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海鈴 | 作成日時：2022年8月13日 22時
