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立花仙蔵side


『……もしかして、監視ですか?』


天女から発せられた、その言葉。

あからさまに鎌を掛けられたと分かるのに、貼り付けた表情は強張る。


……中々に鋭い。


今でこそ何も言わないが、私が「天女に順々で親切な男」の振りをしていることも恐らく彼女は気づいているだろう。

ただ単に元から察しが良いのか……それとも。



「はは、何をおっしゃいます」


『私は本気で言ってますよ?』



(一番あり得るのは喜八郎が話したか……まあいい)


私はすぐに心を整え、気づかれないよう小さく深呼吸をする。

僅かな失敗が招いてしまったこの状況だが、まあこの程度のことで取り乱すことは無い。


恐らくこの天女はすぐに妖術を使わないだろうし、もし使われたとしても……それが何よりの証拠になってしまうはずだ。


(……まあ私は、攻撃するつもりは無いがな)



私は再び、完璧な笑顔を貼り付ける。

さて、どんな人間なのか……今度はこちらから天女に鎌をかけてみることにした。


「ではもし、監視ならばどうするのです?」


『……それは』


天女は驚いたのか目を見開き、何かを迷うように瞳を揺らす。

その案外分かりやすい表情に少し拍子抜けしてしまうが、私はただ天女を見つめた。


少しして天女は何か納得したのかひとりで頷き、真っ直ぐに私を見上げる。


『……どうもしません!』


「は、」


思わず忍術学園お決まりのズコーッをやってしまいそうになり、すんでで身体を抑えた。

"どうしました?"と首を傾げる天女に何でも無い事を告げ、私は咳払いをする。


天女は先程までとは違い、なんとも平和ボケした笑顔を浮かべた。


『別に何かされない限りはどうもしませんよ!さすがに部屋を見られるのは嫌ですけど…って、それより授業は出なくて良いんですか?』


「え、ええ。我々は今日は実習の振り替え休日でして」

『へぇ、実習なんてあるんですね!』


……まずい、完全に天女に振り回されてしまっている気がする。


この私としたことが……

とまたそんな事を言っているうちに、天女が今度は何やら本を出してきた。


「こ、これは?」

『本です!』

「いやそれは分かりますが」


少し見てみればそれは初歩的な字の読み書きの本で、話を聞けば天女はどうやら読み書きの練習をしているらしい。

続いて、天女がまた衝撃的な発言をした。


『あの、実は分からないところがあって……教えて頂けたりしませんか!』

「は、はあ!?」

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(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (4月16日 22時) (レス) id: f020fc6e38 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです。また頑張りますね! (8月28日 20時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新をずっとお待ちしていた作品なので本当に本当に嬉しいです…!!これからも、陰ながら応援させていただきたいです! (8月26日 8時) (レス) id: 17751e89f9 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - 麗羅さん» お久しぶりです、コメントありがとうございます!そうなんです……。あっちはいろいろ慣れなさすぎて、一時帰国ではなく日本にずっといたい位です笑更新頑張りますね! (8月24日 1時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - 更新ありがとうございます!海外留学中だったのですね……。すごいです!これからも応援しているので、作者様のペースで更新頑張ってください! (8月21日 22時) (レス) @page26 id: 5152279fe6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海鈴 | 作成日時:2022年8月13日 22時

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