【wrwrd!】グラジオラス【短編集】 (ページ9)

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You're so cute! sha ページ9

家事なんて、生まれてから一度だってまともにやったことがない。今までやってきた仕事の関係で掃除、洗濯、料理は全て適当に済ませてきたため、お世辞でも上手いとは言えない…

「しばらくの辛抱よ、私…」

では何故そんな私がメイド服を着ているのかって？時は少し遡ること数時間前…

「…嫌よ、いくらあなたの頼みとはいえ、私はできないことをYESと言えるような人間ではないわ」
「だからといって、アイツらにやらせる訳にもいかないだろう」

この城で働いているメイドを束ねるメイド長の人が家の不幸で急遽、実家の方へ戻ってしまったそうで、その代理としてしばらくの間私にその仕事を引き受けてもらいたいとのこと。この城のメイドたちは優秀で、とてもじゃないが私に彼女たちのリーダーが務まるわけがない！

「A、お前にしか頼めないことなんだ」
「グルッペン、この世全ての女性が完璧に家事をこなせると思わないでちょうだい」

しかし私は、次にグルッペンが放った言葉に見事言いくるめられてしまうのであった

「この際勉強してみたらどうだ？家事全般の知識を身につけとけばこれからの潜入任務にも役立つスキルにもなる。Aにとっても悪い話ではないだろう？」

グルッペンの言うことは最もだった

「っ…わかったわよ！けど…どうなっても知らないから！！」

そして今に至る

普通のメイドならまだしも、メイド長って…私には荷が重すぎやしない？

「A様！こちらの方は私達にお任せ下さい！」
「えっ、そんな悪いわよ」
「いいんです！いくら総統様の命とはいえ、幹部であるA様の手を煩わせるわけにはいきません！」
「気持ちは嬉しいけど、流石に何もしないのも気が引けるわ、何か私にもできることがあれば…」
「A様！」

こちらもこんな格好までして、手ぶらで帰るわけにはいかない。何かしら家事のひとつやふたつ出来るようになればこれから先、生きていく中できっと役に立つはず。だから彼女たちの手伝いをすることでこれからの勉強させてもらいたいのだ

「分かりました、A様がそこまでおっしゃるなら、私達も協力させてください！」

というわけで普段彼女達が何をしているのか、身をもって思い知らされることになるのであった