【wrwrd!】グラジオラス【短編集】 (ページ6)

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「ひ、ひとらん…それって…」

その言い方、まるで私のことを…

「外道丸に嫉妬してたとか…かっこ悪いって思うよな、でも…いつもAが外道丸と一緒にいるところ見ると…」
「ふふっ、そういうことだったのね」
「えっ？」

彼もまた私と同じだったのだ

「私、今とても嬉しいわ…ひとらんが私のことをそんなふうに見てくれてて」
「それって…」
「私も、あなたと外道丸の関係をいつも見ていたわ…」

ふわりと香る緑が私の心を大きく揺さぶる
トクトクと流れるお互いの温かなメロディーがハーモニーを生み出した

「ねぇ、直接あなたの口から聞きたいわ」

「A…」

すると、彼がいつも身につけているマスクをゆっくりと外してみせた。こうしてハッキリと彼の口元を見るのは初めてでドキドキした

「誰よりもAのことが好きなんだ、ずっと俺の傍にいて欲しい…」

彼のいつも真剣なその眼差しがより一層、かっこよく感じた。その黒い瞳に吸い込まれそうなぐらい、引き込まれる。ずっと見ていたい…ぐらい

「私も、ひとらんのことが好きよ…」

その時、ふわり心地よい風が私たちを通り抜けた