【wrwrd!】グラジオラス【短編集】 (ページ4)

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Look at me!! ht ページ4

一途、彼を一言で表すならこれが一番しっくりくると私は思う

ひとらんが農作物や花、動物たちと向き合うその姿はとてもひたむきで、とても情熱的に感じた。ほかのメンバーにはない、ひとらんのその雰囲気に、私はとても心地よく感じていた

「あなたが羨ましいわ…」

私の言葉に答えるようにブルルッと大きく鼻を鳴らしたのは、ひとらんの愛馬外道丸。最初はこちらをかなり警戒していたが、努力の甲斐あって時々、背に乗せてもらえるようにまでなった

馬というのは人間の私たちが思っている以上に感情豊かな生き物だ。言葉こそ交わすことは出来ないが、馬は私たちに仕草や表情で語りかけてくれる

数多の戦場を駆け抜け、築き上げられた彼らの絆はとても眩しくて、美しい
それは私が手を伸ばしても届かないくらい高い場所にあるものだった

彼らを見ると時々思うのだ

ひとらんの自然に対する情熱的な思いが、私に向けられていたら…と

「それで俺の所に相談しに来た…と」
「オスマンならどうすればいいかわかると思って…」
「なるほどなぁ…そうかぁAちゃんがひとらんのことをねぇ…」
「意外かしら？」
「いいや、むしろお似合いやと思うで？」

そう言われると少し、顔が緩んだ気がした

「でもな、Aちゃんが思ってるほど心配するようなことはないで？」
「それって、どういうことかしら？」
「そのうちわかるやろ、さっ、はよひとらんとこ行き？」
「えっ、ちょっと！」

いいからいいからとオスマンに言われるがまま私は彼の部屋から押し出された

「そのうちってどういうことよ…」

私の中のモヤモヤはより一層深まるばかりであった

とりあえず、オスマンの言う通りひとらんが行きそうな場所を手当り次第行ってみることにした

・

「二人共揃いも揃って俺の所に来るとはなぁ…」

静かになった部屋の中で一人、彼は困ったようにポツリと呟いた