＊【 A3! 】愛され家政婦の取り扱い説明書。 (ページ2)

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その１「　家政婦と朝　」ページ2

＿＿＿家政婦は朝に弱い。

『あと五分……いやあと五時間三十分……』

万里「長い。はやく起きろ」

『ばんすこの鬼……』

万里「そのあだ名やめろ。…いいから早く起きろ。遅刻すんぞ」

『いった……デコピン……』

朝からばんすこのデコピンをくらった私、初瀬A。ぴっちぴちの１６歳。

そしてこのネオヤンはばんすここと摂津万里。

ヤンキーのくせにお母さんのようなばんすこに今日も私はたたき起こされた。

悪い目つきが今日は一段と悪いような。そしてデコピンの威力に遠慮がない。
……どうした？男の子の日か？

万里「……つかさ」

『なんだいばんすこ…私はもう起きてるよ……だからデコピンは勘弁、』

万里「っちげーよ！なんでお前が俺のベッドで寝てんだよ！？」

『…………あ』

ああ、いつもよりばんすこがイライラしている理由が分かった。

『ごめんごめん、これには理由があってだな。
昨日、ちょっくらゲームに付き合ってもらおうとばんすこの部屋寄ったんだけどね、ばんすこお休み中だったからさぁ。起こそうと思ったんだけど、寝顔が案外可愛くて、』

万里「わかったわかった！！それ以上言うな……」

『り、了解した！お、怒ってる……？』

口元を手で押さえたばんすこ。相当怒ってらっしゃる……？
どうにしたってこれ以上話したらいけなさそうなのを察した。

万里「……制服着替えてこい。置いてかれるぞ」

時計を見るとそろそろ準備しないとやばい時間だ。

速足で自分の部屋へと向かった。

( 怒ってねーよ……可愛すぎ…… )

取扱説明書、その１。
　『朝に弱い、そして破壊力が凄い。』