3話「顔合わせ前� � ページ4
顔合わせ前に寄ったのは、軽めの食事が取れる喫茶店。
お兄ちゃんの行きつけらしく顔合わせの場からも近い。
個室があるようで、家を出る前に電話してくれた。
店に入るなり、個室へと案内された。
「んっと、俺はコーヒーとサンドイッチで。咲輝は？」
「えっと、じゃあドリアとカフェラテで。」
『かしこまりました。』
「さてと、まだ顔合わせまで時間あるしゆっくりできるかな」
「そうだね。あ、お兄ちゃんあとでコンビニ寄っていい？」
「ああ、いいよ。またいちご牛乳？」
「うん。引っ越し田ばっかで家にストックなくて。」
「相変わらずだな。その点においては咲輝のが新にぴったりだよ」
「飲み物だけでしょう」
そんなこと言ってると、料理が運ばれてきて、食べながら会話を進める。
「そういえば、
唯輝というのは、私の双子の姉のことで、私と同じく心臓疾患とアスペルガー症候群、そして生まれつき車椅子で生活をしている、
「唯輝は、そのまま都内の特別支援学校の高等部行ったよ。特別支援学校と言っても肢体不自由向けなだけで普通科高校の卒業資格取れるってお母さんが。唯輝、頭いいからね。」
「そっか。それで？咲輝なんでこうなったの？」
「この間、お母さんの勧めもあって、新人発掘オーディション受けたら審査員特別賞取っていくつかの事務所から声かけていただいてイトーカンパニー入った。お兄ちゃんの時と変わらないよ。」
「！？って咲輝、うちの事務所なの？」
「うん、特にお兄ちゃんのこと言ったわけじゃないんだけどね…なんか所作とかでバレた。なんかいろいろ理解もあって優しかったし、お兄ちゃんと一緒ならお母さんも安心って。」
「僕、咲輝のことなんて何回かしか事務所の人にも話してないのに。じゃあ、ツキステ 。のメンバーは今日初対面だ。」
「んー、いや。瑠尉先生のダンス教室随分前から通ってる。それで立くんとたまたま会ったことあるよ。」
「なんでそんな黒年少と仲良いんだよ。」
「でも、2人もこのこと知らないし、もちろん妹だとも知らない。」
《ピリリリピリリリ》
「あれ、電話。咲輝？」
「…あ、うん。あ、唯輝から。」
『もしもし？唯輝？…あ、うん。引っ越しは終わった。今日顔合わせだから今お兄ちゃんとご飯。何？代わる？』
「…はい、お兄ちゃん。唯輝が喋りたいって。」
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作者名：唯輝 | 作成日時：2018年8月31日 23時
