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よんじゅうさん ページ45

周りにいた鴉共を斬って、多少の時間を稼ぐ

そして体を刃に貫かれたまま、後ろの馬鹿共をふりかえった

『大きくなりましたね、悪ガキ共が』


皆を拘束する縄を斬って、逃げなさい と促す


銀「…A、せんせい…」


掠れた声で、銀時が私の名を呼んだ


『何をグズグズしているんです?早く立ち上がりなさい』

鋭く一瞥すると、歯を食いしばって四人は立ち上がった


良くできました、それでこそあの人の弟子だ


無意識に出た声は自分が思うよりずっと優かった


『足止めは私がします。その間にお前達は早くお逃げなさい』


そう告げると、晋助と銀時が 私の手を掴む

高「…せ 先生も、A先生も一緒に来るよな…?」


あんたまで置いて逝かないよな?


あんまりにも、壊れそうな表情をしていたから。そっと、二人の頭を撫でる

『無理よ、この傷だもの』

心臓さえも貫く刀に触れて、穏やかに言い放った

人間からしたら致命傷となるであろう傷に、もう弟子達は気づいている。

私が不死者と知らない朧以外は、私がもう助からないと思うはずなのに

彼等はそれでも離れようとしない。

ごめんね、と一言断りを入れ、ドッ、ドッ と麻痺の経絡に拳を叩き込む


なんで、と呟くも 指一本動かせなくなった彼等を支えると、随分と大人びた二人に微笑みかけた

『小太郎、朧、この子達をお願いね?』


いつもいつも、この二人は損な役回りばかりだったな、と苦笑しながら、歯を噛み締めて はい、と頷く二人に、銀時と晋助の体を預けた


その僅かな間に、朧の耳元に口を寄せると、周りには聞こえないように 打ち明ける


『なにか嫌な予感がするんです。もしも、私に何かあった時は 弟弟子達を、虚様をよろしくね』


彼は顔を歪めて言った


朧「…それは、俺では無理です…どうか、ご無事で…姉様。」


その言葉に苦笑を返して、走り出した背中を眺めていると、悲しい声が耳に届いた


銀「待って、待ってくれ…!まだ俺は、」


あんた達に何も、返せてない




そんな訳がない


目を閉じて思い出すのは暖かな幸せばかり


救われたのは、拾われたのは…



遠くなっていく背中に、聞こえる事を願って呼びかけた

『お天道様から目をそらさず、背筋をしゃんと伸ばして生きなさい 約束…ですよ…』
″どうか、幸せになって″

小指を立てて、私の我儘を 一方的に取り付ける


だって松陽さんばっかり約束なんてして、ずるいじゃないですか

ちょっとだけ満足だった

よんじゅうよん→←よんじゅうに



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設定タグ:銀魂 , 松下村塾 , 松陽虚狂愛   
作品ジャンル:恋愛
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??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます!泣ける(?)かは分かりませんが、世界観しんどいです。頑張ります。 (2020年3月9日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - (´;Д;`)おお・・・最新話泣ける(?) (2020年3月6日 17時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月8日 17時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - たまたまこの小説見たけど、めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月8日 15時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - いえいえ!読んでいただいてありがとうございます!同士がいてくれると嬉しいです! (2020年1月26日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*雪之丞*yukinojyo | 作成日時:2019年6月16日 22時

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