【銀魂】この世界があまりにも幸せだったから【吉田松陽 虚】

さんじゅうしち ページ39

朧「骸…またここにいたのか」


朧に声をかけられパッと顔を上げる牢番の少女、骸


幼いながら奈落三羽に数えられる程の実力者だそうだ


朧「また門下生が増えましたね、先生」


ここ牢獄ですけど…と、朧が苦笑を浮かべる


『良いんじゃないですか？松陽さんも楽しそうですし。』


横では彼が楽しそうに笑いながら少女に手習いを教えている。


骸「A、出来た」


骸は 見て、とでも言うようにこちらに出来上がった足し算を見せてきた


『まぁ！骸はすごいですね。』


良くできました、と頭を撫でてやると 無表情ながらも嫌がらず、黙って撫でられている


多少は好意的に思ってくれているのだろうか


それにしても…


『やっぱり…女の子って可愛いですね、何て言うかこう…素直で』


今まで騒がしい悪ガキ共(男)に囲まれていたせいだろうか？


いや、もう女の子ほんと可愛い


癒しでしかない少女を膝に乗せて 頭を撫でくりまわしていると、松陽さんが笑いながら言った


松「何だか、そうしていると母と娘の様ですね」


そうだろうか？と、同じことを思ったのか、骸がこちらを見上げた


朧「…確かに、2人とも美形ですし、綺麗な黒髪ですしね…」


黒髪…私の場合 若干 翠がかったものだが、周りから見れば親子にも見えるのかもしれない


子を産めない体であるだけに、何だか妙な気分だ


子供と言えば…


『(…あの子達は大丈夫かしら…)』



ちゃんとご飯は食べているのか


怪我をしていないか


悪ガキであるからこその心配事は尽きそうにない

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