さんじゅうご ページ37
〜銀時side〜
その日は、何かがおかしかった
突然塾が休みになったかと思えば、俺たちには、行ったことも無い隣街までお使いを頼んできた
何時もニコニコと、どこか感情の読めない二人の顔が、少しだけ悲しそうに見えた
桂「___とき、銀時!」
取り留めの無いことを考えていると、ズラがちょっと心配そうにこちらを見ていた
銀「_ん? ああ、なんだよ?」
桂「どうした、お前らしくもない。腹でも痛いのか?」
高「さっきから一言も話さねぇじゃねェか」
珍しい事に高杉にまで心配されたようだ
銀「…いや、何でもねぇよ。それより、そろそろ飯食おうぜ」
なんとなく気まずくなって、話題をそらす
桂「お、今日の弁当は豪華だな!」
そう言われて見てみれば、弁当にはそれぞれの好物が沢山入っていた
俺の好きな甘い卵焼き
ズラの好きな梅のお握り
高杉のにはヤクルコまで、…ヤクルコ?
見なかった事にして、握り飯にひとつ手を伸ばす。
それは幼い日に食っていたような、鉄の味のする冷たいものではない
Aが俺たちの為に作ってくれた優しい味のする温かいものだ
唐突に、今行かなければあの人たちに、もう二度と会えなくなる気がした
あの穏やかな学舎には、戻れない気がした
銀「おい、ズラ 高杉、俺、先帰るわ」
残りの弁当を口に押し込むと、いつかもらった刀を片手に走り出しす
後ろからあいつらが 俺の名前を呼んだが 生憎、返事をする余裕は無い
根拠などない勘だった
だが、幼い頃はこの勘のお陰で死を免れていたのだ
ただひたすら、不安を抑えながら帰路を急いだ
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??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます!泣ける(?)かは分かりませんが、世界観しんどいです。頑張ります。 (2020年3月9日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - (´;Д;`)おお・・・最新話泣ける(?) (2020年3月6日 17時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月8日 17時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - たまたまこの小説見たけど、めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月8日 15時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - いえいえ!読んでいただいてありがとうございます!同士がいてくれると嬉しいです! (2020年1月26日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*雪之丞*yukinojyo | 作成日時:2019年6月16日 22時