ろく ページ7
朧「っ…！」
ｶﾞｷﾝ
『…』
夜の道場に手合わせの音だけが響く
(ここ数年でよくここまで…)
朧は発勁のセンスがあるし、それらを使いこなすだけの頭脳もある
でも…それだけだったら彼に技を教えたりはしなかった。私も松陽さんも彼に戦いなどさせたくなかったのだから
″俺に大切な者を護るすべを教えて下さい″
必死に頼みこむ彼に私が根負けしたのだ
そう、発勁は人を傷つけるだけの技じゃない、経穴を突き、また動かす事によって自分の命を守ることが出来る。人の命を護ることが出来る
現に今、私が医者としてこの技を使うように
朧「…っ 姉様、俺はｯ、強くなりましたか？」
肩で息をしながら朧が言った
『ええ、私が保証します。』
朧「そう、ですか」
俺は強くなったんですね……
本当に、本当に嬉しそうに彼が言った
朧「姉様、お話がございます」
それから晴れやかな顔で彼は話し始めた
13の少年にはあまりにも過酷な決意を
朧「俺は、奈落に戻ろうと思います」
『……なぜ』
朧「俺にも護るべき者達が出来ました
今まで先生方にたくさん救っていただいた…
松陽先生になかったはずのこの命を救われ、
姉様にその使い方を教えていただいた。
この命、先生と弟弟子の為に使いたいのです」
朧「先生の志くらい護れねば
大切な弟弟子達くらい護れねば
一番弟子とは、言えないでしょう？」
彼は笑っていた
本当に晴れやかな笑顔だった
『もぅ…どうせ止めても行くのでしょう？』
そんな笑顔見せられたら、もう苦笑しか出て来ない
彼はゆっくり頷いた
朧「あ、松陽先生には言わないでくださいね？あの拳骨は痛いですから」
本当にこの子は、
苦笑しながら私は言った
『ふふ、いいでしょう、ただし！条件が3つあります！』
朧「条件？」
『一つ目、ちゃんと手紙を書くこと』
安全確認が出来なきゃ心配でたまらない
『二つ目、年に一回は必ず帰って来ること』
彼の帰ってくる場所は何があろうとこの″松下村塾″でなければならない
あと、単純に私と銀時と松陽さんが寂しい
『最後、何があっても生きること』
たとえ私達がどうなろうとも
これは言葉にはしなかった
『″約束″です』
朧「はい、必ず」
そう言って彼は深く頭を下げた
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??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます！泣ける（？）かは分かりませんが、世界観しんどいです。頑張ります。 (2020年3月9日 20時) (
レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - (´；Д；`)おお・・・最新話泣ける（？） (2020年3月6日 17時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます！頑張ります！ (2020年2月8日 17時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - たまたまこの小説見たけど、めっちゃ面白いです！更新頑張ってください！ (2020年2月8日 15時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - いえいえ！読んでいただいてありがとうございます！同士がいてくれると嬉しいです！ (2020年1月26日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊雪之丞＊yukinojyo | 作成日時：2019年6月16日 22時
