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さんじゅういち ページ33

高「なあ、朧。ほんとにもう行くのか?」



桂「もっと稽古してくれないんですか?…」



銀「出るのなんて明日でいいじゃねーか」



朧「うん。分かったからお前たちそろそろ離してくれないか?(汗)」





はい、今の状況を説明しましょうか




事の発端は昨日の事



朧がそろそろ奈落に戻らないといけないと言い出したことだった



〜1日前〜



朧「先生方、そろそろ俺も任務だと誤魔化して此処にとどまるのが難しくなってきました。明日、奈落へ戻ろうと思います。」



『そんな…どうしても戻らなければならないんですか?』



朧は首を縦にふった



朧「姉様もお気づきでしょう」



確かに最近、奴等がこの辺りをうろついているのを見かけている。


その事を考えれば確かに、戻った方が良いのかもしれない



だからってそんな…



私が俯くと松陽さんが口を開いた



松「朧、すまない。いつも君にばかり苦労をかけてしまう。私は、不甲斐ない師ですね」



彼もまた、俯き唇を噛み締めていた



私達夫婦がまるでお通夜のような雰囲気をしていると



朧は笑って言った




朧「俺は、あの日誓いましたから。弟弟子を守ると、先生の志を守ると。

だから先生、そんな顔をしないで下さい。」




彼は、悲壮感など一切無い、強い意思のこもった瞳をこちらに向けていた


松「ハハ…弟子に励まされてるようじゃ、まだまだ私達は未熟者ですね」


『ええ、ほんとうに』


かくして本日、朧が発つ事になったのだが

何処からどうやってこの話が子供達に伝わったのか


すっかり懐いた子供達にしがみつかれる朧、という絵面が完成した訳だ


高「なあ、もう少しだけ居てくれよ″兄さん″」


銀「なあ、″兄貴″」


桂「駄目ですか?″兄上″」


あぁ…出た、必殺うるうる攻撃


やられるとつい甘やかしてしまうヤツ…


しかもお兄ちゃん呼びですか



朧「うっ…お前達!こんな時だけそんな呼び方ッ…あと一時間だけだからな…!」



うん、朧の負けですね。

こうなる事は知ってました





結局、朧が出発したのは次の日の朝だった。





松「くれぐれも気をつけて行ってきなさい」



朧「はい、先生。お元気で」



そんな二人の会話を聞いて



真剣な表情を見て



私は一人、寂しくも喜ばしい弟子の成長を感じるのだ

さんじゅうに→←さんじゅう



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設定タグ:銀魂 , 松下村塾 , 松陽虚狂愛   
作品ジャンル:恋愛
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??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます!泣ける(?)かは分かりませんが、世界観しんどいです。頑張ります。 (2020年3月9日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - (´;Д;`)おお・・・最新話泣ける(?) (2020年3月6日 17時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月8日 17時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - たまたまこの小説見たけど、めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月8日 15時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - いえいえ!読んでいただいてありがとうございます!同士がいてくれると嬉しいです! (2020年1月26日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*雪之丞*yukinojyo | 作成日時:2019年6月16日 22時

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